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第152回 鈴木 忠美  次世代リーダーたちに贈るメンタルケア術 これからの人材育成

第152回「常にお客さま都合優先」

【月刊HOTERES 2018年10月号】
2018年10月19日(金)
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鈴木 忠美
〈すずき・ただみ〉
1969 年盛岡グランドホテル入社。レストラン課長、料飲企画部長、副総支配人を経て96 年総支配人就任(98 年同取締役)。在職中には専門学校 盛岡カレッジオブビジネスで講師を務める。2003年東北ホテル宴会場支配人協議会(東北B.M.C.)会長就任(5 期10 年)。05年ホテルシティプラザ北上入社。同取締役サービス部支配人、現在は山形県東村山市クアハウス碁点にて勤務しながら、料飲業務従事者の資質向上を目指し、教育研修会の企画・運営を行なう。

if(イフとはもしとかもしも)制度スタート
 
 前号に続き不死鳥のごとくよみがえった盛岡グランドHの再建請負人K 氏の続編24 回目である。経営が変わって何年もしないうちにK 氏は突然「if」( イフ) 制度なるものを発足させた。耳慣れない言葉だったがこれは何を意味するものかと言えば、昭和50 年代の初めころは経営が変わったと言っても、まだ社員の誰もが給料の中から生命保険にまでお金を回せるほどの余力はなかった。それを見抜いてかK 氏はもしも社員の皆さんが突然の病気や、痛ましい事故で突然亡くなられた場合でも、奥さまと子どもが路頭に迷ってしまわないようにと、また独身者であれば手塩にかけて育て上げていただき、せっかくわが社に入社を決めていただいて、やっと楽ができると思った矢先に突然亡くなられた場合、家族が落胆されることを考えて、当時の記憶が正しければ、亡くなったその月から結婚されていたら奥さまに、また不幸にして両親が同時に亡くなられた場合はそのお子さまに、もし独身であればその親御さんに、今の給料を向こう10 年間その家族に支給します、という制度だった。この制度一つとってもK 氏がいかに社員思いの経営者であったか、つまりこの優しさが社員のやる気をどんどん引き出していったのである。

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