セント レジス ホテル 大阪 総支配人 近藤 豪 氏
㈱フェイス 代表取締役 福永 有利子 氏
世界最大のホテルチェーンとなったマリオット・インターナショナルは2016 年9 月、「シェラトン」や「ウェスティン」、「セントレジス」などのホテルブランドを展開していたスターウッド・ホテル&リゾートを傘下にし、30 ブランドを有し、110 カ国、5700 軒のホテルを運営している。今回は2010 年10 月、大阪の地に開業した「セント レジス ホテル 大阪」で手腕を発揮している近藤 豪総支配人に人材の確保や育成などについてお聞きした。
福永 セント レジス ホテル 大阪はスターウッド・ホテル&リゾートの最高級ブランドとして日本で唯一展開されているホテルで、2016 年マリオット・インターナショナルの傘下となりましたが、引き続き最高級ブランドとして外国人観光客や富裕層を顧客層に、より高いバトラーサービスを提供されています。近藤総支配人は、前職である国内外のリッツカールトンホテルにおいて、より効率的なホテルオペーレーションを追求され大きな収益改善をされ、昨年6月より、御ホテルの総支配人として改革に挑んでいらっしゃいます。始めに、人材不足が深刻化するホテル業界においてどのような取り組みをされていらっしゃいますか。
近藤 実は人材確保につきましては、正直なところ非常に困っているという訳ではありません。昨今のホテル業界における慢性的な人材不足という現象は他人事ではありませんがセント レジス ホテル 大阪は全体的に人材不足ということではありません。人材確保の取り組みとしましては、ホテル経験者ではない方を採用することや、世界各国、特にスイスやアメリカのホテル学校からのインターンシップの学生達を積極的に受け入れております。新入社員もしかり最初は全員プロではありません。新たな人材を育成すること、ホテル学校で今後のホテル業界を背負っていく学生達を新たな角度から教えることや経験をしてもらうことにより、お客さまの目線に立ち心から自然と寄り添える温かさを提供できるサービスを目指しております。一流のホテル経験をお持ちでサービス力が優れていたとしても、そのサービスはこうあるべきというホテル業界の型にはまっていることもあります。お客さまが求めていることはそれぞれ違いますので、型通りでは顧客満足を高めることはできないのです。そのためにホテル経験のない方や実務経験のない学生達を登用し、まっさらな気持ちで顧客目線に立ち、自然と寄り添えるサービスが必要であると考えたのです。加えてホテル経験者という枠を外すことで、様々な求人媒体でも募集をすることができます。