東急バス㈱ 常務取締役執行役員 運輸事業部長 安全統括管理者 /元㈱東急グルメフロント 代表取締役社長 坂本織也 氏
㈱アーバンマネジメント 常務取締役 講師統括マネージャー 松浦 誠 氏
人材育成や組織づくりに関わる研修を行なう㈱アーバンマネジメント。本誌第1 週号で連載中の同社松浦氏が提供するのが「オーダーメイドな研修」である。徹底した研修前のヒアリング、独自の感性、担当者との綿密な打ち合わせと適時行なわれる研修項目調整など、研修講師として情熱溢れるスタンスから圧倒的な成果を出し続けている。その詳細を探るべく、実際に研修を受けた企業経営者を招き、経緯や研修内のポイントについて対談連載にてお伝えする。
❒「地域の価値創造」に端を発し、人々の生活インフラを支え発展してきたのが現在の東急グループの姿だと伺いました。
坂本 鉄道事業は1922 年の設立から、間もなく1 世紀を迎えようとしています。バス事業の歴史も長く、来年サービス開始から90 年を迎えます。私が籍を置く㈱東急バスは分社から2021 年に30 周年を迎えようとしており、昨今は観光産業の変化に対応する形で、空港とホテルをつなぐ直行バスを利用した送迎サービスなどを開始するようになりました。
❒ 研修導入のきっかけと経緯についてお聞かせください。
坂本 研修を担当いただいたのは、私が以前社長を務めていた㈱東急グルメフロント時代の話になります。鉄道の駅構内に、そば屋からパン屋までファストフードを中心に幅広い業態のお店を展開する中で、各店舗のサービス品質の底上げが課題となっていました。どのような取り組みを行なうべきかと思案している際、系列会社の先輩から紹介いただいたこと、そこでいただいた提案がこれまでとまったく違った切り口であったことが、導入までの経緯となります。
❒ ㈱グルメフロント様のケースについてお聞かせください。
松浦 東急という歴史あるブランドの中で、教育に対する考えや取り組みは、多くの実績がありました。特に社員に対するマネジメントやリスク管理、この辺りは非常に徹底しておられたように感じました。しかし同社の特徴を外から客観的に拝見したとき、現場を支える多くのパート・アルバイトさんの存在、同じ業態の中でも生じる店舗間の評価の差、そういったことに着目したとき「人間関係」というキーワードが浮かび上がってきたのです。日々の人間関係を構築する大きな要素は「コミュニケーション」です。そこでコミュニケーションの改善を図ることで、店舗、組織の課題を打破できると考えました。