島国日本が、あれよあれよという間にグローバル化の波に押し流され、それまでの価値観が通用しなくなってからすでにかなりの時間が経っています。その上、世界のさまざまな情報が日々目まぐるしく押し寄せる時代の中で、その流れに追いつけない人々は自信を失い将来への不安を抱え、ますます格差社会が広がっていく現実があります。
㈱スティルサンク 代表取締役
濱野紹央子
〈プロフィール〉幼い頃から華道、茶道、能に親しみ日本の最高のおもてなし文化を身につけながら育つ。大学在学中には皇太子殿下(現天皇陛下)が名誉総裁を務められた団体より日本の代表として全米を訪問し 日本の文化を伝えるとともに欧米の文化を学び帰国。自身の結婚式の時に全てをセルフプロデュースしたことをきっかけに、日本国内はもとより欧米での研修・視察・資格取得を重ね、欧米スタイルの独立型ブライダルコンサルタントのパイオニアとして活躍。名門ホテルのブライダル再生事業や企業コンサルティング、講演活動、個人客のウェディングプロデュースなど数多く手がけている。最近では国土交通省観光庁「産学連携による観光産業の中核人材育成・強化事業」の「ホスピタリティ産業における女性の活躍と組織づくり講座」におけるカリキュラム検討委員を務める。
資源に乏しい日本が戦後の焼け野原から奇跡の復興を遂げて、ついには「ジャパン アズ ナンバーワン」といわれた時代はそれほど昔のことではありません。むしろどうして世界に誇った日本の経済力や青少年の学力が、これほど一気に地に落ちてしまったのか、当然さまざまな理由があるとはいえ、情けなく思うと同時に何とかしなくてはという焦りにも似た気持ちを持つ日本人も多いのではないでしょうか。
経済力は日本一国だけではどうにもならないことですが、学力については日本人の本来持っていた優れた本質をどこかに置き忘れてしまった結果であり、今からでも十分取り返しのつくものだと私は考えています。日本人の各分野での世界的な活躍はめざましいものがあり、本当に日本人は優秀だと誇りに思います。きっと資源に乏しい日本という国に神様が「真面目で勤勉」という贈り物をくださったのかもしれません。