サービス業に限らずさまざまな業種で人手不足問題が深刻化している。夢あこがれて難関を突破して入社しても職場環境に耐えきれず退社したり、管理職になるほど経験のない突発的なことに対して即座な意思決定ができないなど、それぞれのポジションでヒトに関わる問題が山積している。“ヒト(人事)のイノベーションを起こさずして会社は変われない”ことを第一に掲げ、企業の成長、経営の質を高める支援をしている、元ホテルマン ㈱Indigo Blue 代表取締役会長 柴田励司氏に人事改革についてお聞きした。
福永 さまざまな分野での人手不足は少子高齢化社会が加速するとともに、ますます深刻な問題となっています。生活環境は変化し、次世代をになう子どもたちの価値観も一層変化しています。かつてのような指導では次世代を育成していくことが困難となってきましたが、加えてパワハラやセクハラなどもあり、部下とどのように接して良いのかを悩んでいる管理職の声も耳にします。正に今、労務環境改善や人事改革に取り組まなければ企業の成長は望めません。
柴田 企業成長に不可欠なことはヒト(人事)の改革です。ヒト(人事)が変われば会社が変わります。今やビジネスを取り巻く環境変化は著しくとどまることがありません。これまで想定していた範囲を超えたさまざまな難問が降りかかってきます。このときにさまざまな状況を的確にとらえ、迅速な推測と判断、意思決定を行ない対処していかなければなりません。特に今の若い世代は、地頭は良いのですが有事に弱いですね。それは優良な企業に就職することを目指して勉学に励み、著名な大学に進学するのですが、入社後は歯車の一つとなり、日々、ルーティンワークで終わってしまうからです。特に大企業に起こりがちなことです。TOEIC の点数が高くても、英語でのコミュニケーションを取ることは不得手な人が多いのです。