北村剛史
Takeshi Kitamura
㈱ホテル格付研究所 代表取締役所長
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士、MAI (米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である㈱日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事
これまでホテルの「ブランド」に関する調査結果をいくつかご紹介してきました。これまでの調査結果を改めて整理しつつ今回新たに調査した「駅利便性」か「ホテルブランド」いずれが重視されるのかに関する調査結果も踏まえ、ホテルの「ブランド」力をまとめてみたいと思います。まずは、ホテルの新規市場参入に対する防衛力についてですが、弊社の調査において約3 割の人は、好意を有するブランドがあると、その製品やサービスから、ほかの製品やサービスに容易には切り替えないという結果が得られています(全国の男女200 名に対するインターネット調査、2014 年)。
ホテル選択の局面での効果について、「ブランド知名度(知名度あるホテルブランド)」のあるホテルと「外資系ホテルブランド」の2 種類があった場合に、ビジネスホテル、シティホテル、リゾートホテルでホテルカテゴリーを分けた場合、顧客はいずれのホテルを重視するのかを見てみました。以下「肯定意見」とは「大変重視する」と「重視する」の合計回答割合であり、以下「否定意見」とは「あまり重視しない」と「重視しない」の合計回答割合です。「ブランド知名度」に関する「肯定意見」割合は、ビジネスホテルで最も高く、31.5%、次いでシティホテル29.5%、リゾートホテル27%という結果でした。一方で「外資系ホテルブランド」では、「肯定意見」割合は、ビジネスホテルで8.5%、シティホテルで8.0%、リゾートホテルで9.0%という結果でした。外資系ホテルブランドでありかつブランド地名度が高い場合には大きな効果が期待できそうです。