「嚴島神社」と「原爆ドーム」という2 つの世界遺産を有し、『外国人に人気の日本の観光スポット ランキング』に選出されるなど、国内外から高い注目を集めている広島県。中国山地の山々と瀬戸内海に囲まれた地形から、古くから食の宝庫としても知られてきた。そこで今回は、漁業、畜産業、農業など、広島を代表する食材を取り扱う6 名にご協力いただき、広島県の空の玄関「広島空港」すぐそばの広島エアポートホテルの大田豊 総料理長より地元広島の食材への想いを伺った。
広島エアポートホテル 料飲統括部 総料理長
大田 豊 氏
1966 年8 月広島県東広島市河内町生まれ。97 年4 月「フォレストヒルズ ゴルフ&リゾート」入社。2005 年9 月「広島エアポートホテル」レストランアチェロ担当。13 年4 月料飲統括部 洋食統括料理長就任。15 年10 月副総料理長就任。16 年9 月総料理長就任、現在に至る。
〈右から〉広島エアポートホテル 料飲統括部 総料理長 大田 豊 氏/三原市漁業協同組合 代表理事組合長 濵松 照行 氏/福留ハム株式会社 執行役員 山城 英男氏/ JA 全農ひろしま 神石実験牧場 場長 小林 紀夫 氏/高光養鶏場 代表 高光 哲哉 氏/ JA 広島中央 営業販売部 直販課 係長 河元 浩志 氏/世羅向井農園 取締役 向井 明美 氏
❏ 広島県というと、中国山地の山々と瀬戸内海に囲まれた地形から、国内屈指の食材の生産地として知られてきました。また、県主導の「広島県産応援登録制度」など、広島県自体が食に力を入れている印象があります。まず始めに、総料理長にとっての地元広島の食材に対する考えをお聞かせください。
大田 ここ広島エアポートホテルは広島県の空の玄関「広島空港」から徒歩5 分という立地のため、国内外から多くのお客さまがいらっしゃいます。特に広島県は食材の宝庫ということもあり、広島県産の食材に高い期待を持ってお越しになるお客さまも多く、できるだけ地元の食材を使用した料理を提供するよう心がけております。
❏ 地元の食材を用いるために、何か特別な取り組みなどはされているのでしょうか?
大田 年に数回、地元の特産品をテーマとしてフェアを開催しております。それも各店舗で個々に行なうのではなく、すべての店舗で共通した形でのフェアを行なっています。私が総料理長に就任してちょうど一年となりますが、実はそれまでそうした調理セクション全体でのフェアというものは行なっておりませんでした。私は「調理は調理として一丸となるべきだ」という考えがありましたので、最初の就任の挨拶でそうした話をさせていただきました。おかげで、和食と洋食、宴会や朝食など、同じ食材をそれぞれ違う形で料理を提供できるようになり、お客さまにも好評をいただいております。