1902(明治35)年、「福岡裁縫女学校」として設立開校、以来、日本の国際化を先読みした外国語教育に着手、2008(平成20)年にはアジア諸国の経済成長を見据えた日本語科を設立するなど、常に時代を先読みした学校運営に挑戦している。今では32 カ国480 人の留学生を受け入れ、日本に居ながらにして国際交流ができる専門学校へと飛躍している。単に語学ができるだけではダメ、さまざまな環境に順応し、自分の未来をデザインできる環境作りに取り組んでいるのが岩本仁理事長だ。世界に通用する人材育成についてお聞きした。
福永 福岡はアジアの玄関口と言われ留学生の数も増えています。航路、空路ともにアジアに最も近い日本の観光都市としても栄えています。その中で留学生が大半を占める学校運営をされているとお伺いしました。現在、何カ国の留学生を受け入れていらっしゃるのですか。
岩本 現状は32 カ国480 人の留学生が当校で学んでいます。留学生の60%はタイやベトナム、ネパール、インドやバングラディッシュなどのアジア人です。留学生を本格的に受け入れ始めるようになったのは2008 年、今から約15 年前のことです。アジアの経済成長が顕著な中、日本で働きたい、日本語を学びたいという要望に応えて日本語科を立ち上げました。当初は中国、ベトナムやネパールからの留学生です。そのうちにインドネシア、モンゴル、カンボジア、バングラディッシュ、ミヤンマー、タイ、インド、スリランカと広がっていったのです。留学に当たり入学前に150 時間以上の日本語または日本語検定5 級以上という規定があります。留学生は決して裕福な富裕層ばかりではなく大半は母国で中間層の上クラスの家庭です。中には親族から留学のための資金を集めて入学する者もいます。それだけ日本で学びたい、日本で就職してお金を稼ぎたいという思いが強いのです。