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第19回 五十嵐 茂樹  Business Revitalization 事業再生を科学する! 

第19回 work style reforms №.1 働き方改革 №1

【月刊HOTERES 2017年07月号】
2017年07月21日(金)
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事業再生でも働き方改革!

 今やすべての産業界において働き方改革が論じられていますが、中でも労働集約型の業界にとっては、働き方改革と同時に、人の確保と人の定着は、経営上の最優先課題になってきています。今までのような、働く以上は長時間労働に休日出勤は当たり前、土日祭日は絶対に休めない、有給休暇はあっても使ったことなどない等々、そんな業界の常識が今世間から問われています。もちろん、ホテルや旅館業界、それに、外食業界は典型的な労働集約型産業で、人の労働によって成り立つ業界です。しかし、その人の労働を酷使するところはブラック企業と呼ばれ、これからの人不足の時代には当然通用しないし、人がいないことで、店もホテルも運営できない所が出てきます。そこで事業再生でも、働き方改革を進めながら、業績の回復を図ってゆきます。
 
人の流れを構築する!
 
 働き方改革とは、結果としての残業時間や休日出勤といった問題ではありません。それは、残業や休日出勤の問題は、そこに至るまでのさまざまな問題が絡み合って複雑に存在しているからです。それは、採用の問題や教育の問題、それに、キャリアプランの問題や評価の問題、さらには、営業時間の問題や人事制度の問題等があるからです。そこで働き方改革では、まず人の流れを完全に理解する必要があります。そして、確実に手を打って行くことです。そうしないと後手・後手になり、取り返しのつかない状況に追い込まれます。そこで、まず取り組まなくてはならない問題が、人の採用➡人の教育➡人の定着➡人の戦力化といった人の流れです。これらはすべて、働き方改革に連動するもので、この人の流れを構築するための仕組みづくりや人材育成が、結果としての残業や休日出勤といった問題解決につながってきます。

 
労務・教育・評価
 
 これからますます人不足の問題は深刻化してきます。併せて、少子高齢化の時代にも突入していきます。それでも、しっかりと商売を続けてゆかなくては会社の成長発展は望めません。そのためにも、人の問題には真正面から取り組まなくてはなりません。それは、人の問題と真正面から向き合い、そして、その問題を解決したところが会社を成長発展へと導くことができるということでもあります。大変難しい問題ですが、人の労働によって成り立つ仕事においては、「人の問題解決なくして、会社の成長発展なし」と、いうことを心に刻まなくてはなりません。そのためにも、働き方改革のベースになる労務の問題に教育の問題、それに、評価と報酬といった三つの問題解決に努めなくてはなりません。これには優先順位というものはなく、労務問題に教育問題、それに、評価と報酬といった三つの問題解決を少しずつでも同時に行なわなくてはならないということです。併せて、今までの意識も変えなくてはなりません。それは、今までの常識は非常識ということです。特に残業時間や休日出勤、それに、深夜の仮眠手当等々の常識を変える必要があります。この意識の変革と、具体的な取り組みが現状の人の問題に関する解決策のスタートとなってきます。
 
組織づくり
 
 店やホテルは、店長や支配人で決まりますが、店長や支配人一人では何もできません。まして、ご来店していただいたすべてのお客さまの満足と感動を得ることなど不可能です。すべてのお客さまの満足と感動を得るためには、しっかりとした組織づくりが必要になってきます。良い店、良いホテルの共通点の一つに、安定した運営が挙げられます。運営が安定することは、店やホテルが強くなることを意味しており、その結果としてお客さまの満足と感動につながり、そして繁盛するのです。しかし、働く人が入っても、なかなか定着しない店やホテルでは、決して繁盛することはありません。人が定着し、そして、その人が戦力になってはじめて店やホテルが強くなってゆくのです。そのための一番大切な機能は、何と言っても、人の採用と教育、それに人の定着と戦力化が図られていることです。この人の採用から戦力化の流れを強くすることが店やホテルの運営では重要になってきます。店の組織づくり、ホテルの組織づくりとは、そんな人づくりに始まり、人づくりに終わる仕事です。そして、働くみんなの力を結集して、すべてのお客さまの満足と感動を得ることができれば、店は必ず繁盛店へと歩むことができます。最終的に、あなたの店やホテルを際立たせるのは、あなたの下で働いている一人一人の仕事振りであるということを決して忘れてはなりません。繁盛店は、一人でできるものではないし、一人で作るものでもありません。もちろん、一日でできるわけでもありません。そこには、店長や支配人の人たちが中心となった、お客さまの満足と感動を得るための、良い組織づくりがあります。
 
世のため、人のため!
 
 世のため人のためになってこそ、本当の仕事です。間違っても、お客さまと駆け引きをしたり、大切なお客さまを粗末にしてはなりません。また、そこで働く人たちの犠牲によって会社が成り立っているなどということも絶対にあってはなりません。今、成長発展している会社は、どこも長時間労働や休日出勤、それに、拘束時間や有休休暇の取得率等の問題を明らかにし、その問題と向き合い、そして、問題解決のために真摯に取り組んでいます。決して、問題を放置したり、問題を先送りするようなことはしていません。今こそ、問題と向き合って、その問題を解決するために真正面から取り組んでください。働き方改革には、そんな意識の改革からはじめなくてはなりません。それは、変わること、変えること、これに挑戦することでもあります。

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