短期戦略はハード
中・長期戦略はヒューマン
 
❒ これからの戦略についてお聞きします。短期的戦略は。
 
　短期的戦略としては、ハードを生かした戦略です。現在進行中の改装計画をすべて終わらせ、売り上げに反映させていきます。今年はヒルトンルームの改装に着手し、2016 年の第2 四半期に完了する予定です。直近では、7 月10 日にホテルロビーのメインラウンジを「lounge O（ラウンジ・オー）」としてリニューアルオープンしました。昨年秋にオープンした新バンケットルームとともに、橋本夕紀夫氏によるデザインで光と自然に満ちた空間になりました。それと同時に、ロビーのペストリーショップを改装しテイクアウトデリ「フレッシュ・コネクション」が誕生しました。サラダ、パスタ、パニーニやケーキなどのメニューが並び、さまざまな食事のシーンでお手軽に幅広くご利用いただけると思います。ルームデリバリーも可能となるデリのオープンにより、今までとは違う形でお客さまにサービスを提供できるアウトレットとして期待しています。
 
❒ では、長期的な戦略は。
 
　今いるスタッフのキャリアプランをもっと綿密に話し合い、育成していきたいと思っています。ほかの競合ホテルに転職しないように、ヒルトンの中で、どの部署で活躍したいのかを聞き、サポートしたいです。
 
　日本では、RJET（アールジェット）プログラムがあります。リージョナル・ジャパニーズ・エレベーター・トレーニーの略です。マネジメントを育成するためのプログラムであり、ローカルなタレントを育成するプログラムとしては、実に素晴らしいと思います。総支配人の仕事の一つに、RJET の中の一人を、メンターとしてサポートする役割があります。彼らを見ていると、自分が駆け出しのころを思い出して、私自身大きな刺激になっています。
 
❒ 世界で通用するホテリエになるために、何が必要ですか。
 
　日本のホテリエはもっと自信を持って仕事をしていただきたいですね。その地域・文化に慣れるには、自分をオープンにして柔軟に対応する必要があると考えます。でも、私から見て、長所はたくさんあります。その一つがサービススキルです。日本のサービススキルは優れているので、海外のホテリエの手本になれます。
 
❒ 最後に、PR をお願いします。
 
　ヒルトン・ワールドワイドは社会貢献になるような取り組みを積極的に行なっています。当ホテルとしても、昨年のクリスマスイベントで募った協賛金の一部を、特定非営利活動法人ルーム・トゥ・リード・ジャパンならびに非営利活動プロジェクト プレイグランド・オブ・ホープを通して、国内外の支援を必要とする子どもたちのために寄付しています。今年の9 月には、実際にホテルのチームメンバーが福島県の小学校に赴き、大型遊具付きの遊び場を作りに行く予定です。こうした活動に貢献できることを、誇りフロア に思っています。

ニール・マッキネス 氏
(Neil Mclnnes)
ヒルトン・グラスゴー（スコットランド）で初の職務に従事したのち、22 歳でフロントマネジャーとしてデパートメントヘッドの役職を担当。その後、ヒルトン・シドニー（オーストラリア）では、フロントやレベニューマネージメントにてマネジャーの職務を経て、副総支配人（営業推進担当）に着任し、来日後はコンラッド東京とヒルトン東京にて副総支配人（同上）を兼務。2012 年、ヒルトン・ワールドワイド日本・韓国・ミクロネシア地区レベニューマネージメント・リージョナルディレクター（収益管理業務統括本部長）に就任。15 年4 月20 日からヒルトン東京ベイの総支配人に就任。
 
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