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第49回 対談  Wプロフェッショナルズ 

第49回  ㈱ティアラ 代表取締役 磯島祐子 氏 ×  ㈱フェイス 代表取締役 福永有利子 氏

【月刊HOTERES 2016年10月号】
2016年10月07日(金)
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福永 いい結婚式が提供できるか否かはプランナーの力量にかかっています。まずはお客さまとの要であるプランナーの人間力、提案力、感性を高めていかなくてはなりません。
 
磯島 数社ががんばっても始まりません。お客さまはさまざまな会場を見学されますし、友人や同僚、身内の結婚式にゲストとして招かれます。そのとき魅力的なスタッフであったり、提案であったり、感動的な結婚式を体感できればSNS で発しているネガティブなイメージが払しょくされ結婚式に対する印象は変わります。今やお客さまの方がさまざまな情報をお持ちですし、商品や会場案内をしていただけでは決まりません。結婚式の本質をきちんと語ることができ、結婚式を挙げる意味、価値をきちんと伝えられなければなりません。そのためにはプランナーとしての知識を高めいくことが、結果的にお客さまの心を動かし、最終的にはプランナーという仕事の意味、価値、誇りを感じることができるようになるのです。
 
福永 さまざまな取り組みをされている中で、岡山ウエディング協議会のコンテストを見ていると、年々、レベルが上がってきているのではないでしょうか。
 
磯島 初回から比較すると年々、結婚式プロデュース力は上がっています。またプランナーとしてのいい意味でのプライドも高まり、お客さまも安心して任せられるようになってきたように思います。コンテストに向けた日ごろのプロデュースへの磨きもかかってきました。岡山ウエディング協議会では本来であればなかなか見られないライバルの施設も見学ができますので、自社の施設との比較やマネすべきことや、他社にはない自社の強みを発見できる機会もあります。また交流会などを通して日ごろの悩みを話すなど、それぞれが抱えている課題や疑問なども解決できる機会もあります。お互いに刺激を受けながら切磋琢磨することで、ほかの地域にはないレベルアップされたいい結婚式を創造し、提供することができるようになるのだと思います。「いい結婚式がいい夫婦を創る いい夫婦が強い絆で結ばれた いい家族になる いい家族が素晴らしい街 岡山を創る」これが協議会の根本的な思いであり、そのために結婚式の大切さをつたえることと、ウエディングスタッフの交流を成長を日本の柱として活動しているのです。
 
福永 それは素晴らしいことです。まさに今、次世代に向けてキーとなるプランナーの人材力向上は欠かせませんね。ところで御社の人材育成はどのように取り組まれていらっしゃるのですか。
 
磯島 現場重視の育成を行なっています。新入社員は半年間、先輩についてサービスもさせます。また岡山ビジネスカレッジのブライダルコースも手掛けており、学生たちの実習の場として提供しています。1998 年から専門学校とかかわり、2000 年にブライダルコースを立ち上げました。プランナー、スタイリスト、会場コーディネートなど、実習で学ぶことができます。教えるのは当社のスタッフやパートナーさんたちです。教えることで学ぶことができますので、スタッフそのものの人材育成にもつながります。ウエディング業界に就職する前にリアルな現場で学ぶことにより、現場の現実を知らずして入社した際に起こりがちな、現実とのギャップによる退職も回避させることができます。まずは現場で徹底的に学ぶことが、学生もスタッフも大切なことだと思います。現在17 期生、18 期生となり、各40 人クラスの実習を受け入れています。
 
福永 正に実践教育ですね。現場のことはなかなかペーパーだけでは教えられません。実際に動いてみなければ実感として得ることはむずかしいことです。同じ学校のOB たちがかがやいて仕事をしている姿を見たり、OB たちにアドバイスをいただいたりすることで、自身の勇気ややる気、向上心を高める効果がありますね。
 
磯島 ちゃんと教えて、ちゃんと受け入れること。それが長く続けて働いていただくためには重要なことです。また結婚式はプランナーだけではできません。かかわる部門やパートナー企業とのコミュニケーションが図れて初めていい結婚式がる作り上げることができます。そのため必ず週に1 回、プランナーと現場のスタッフ、厨房スタッフとのミーティングを行なっています。新規担当者、プランナー、スタイリスト、ディレクターの4 人が1 チームとなり情報共有をしながら、1 組の結婚式をまとめていきます。プランナーは当日のアテンドのほか、タイムキープも行なうプロデュサーとしてかかわり現場を仕切っていきますので、より多くの情報が必要となります。最後までお客さまとかかわりを持つ責任感と達成感を得ることができ、プランナーの仕事の醍醐味を感じられることだと思います。私はよく“人材育成は子育て”と同じといいます。何10 回、何100 回も子育ての練習をすることで、その体験はすべてが自分のものとなります。いろいろな方がいていろいろな手法があります。その体験は一つしてムダではなく、すべて自分のためになるからです。
 
福永 現場主義の磯島流人材育成ですね。人材育成は子育てと同じ、まさにその通りです。100 人100 通りのアプローチがあり、企画、提案があります。その力は必ず自分にとって大切な財産となります。本日はステキなお話をありがとうございました。

㈱ティアラ
代表取締役
磯島祐子
1960 年岡山県生まれ。㈱ティアラ代表取締役社長。家業であった貸衣装店を手伝いながらブライダルを学び、1995 年に起業。ブライダルプロデュースの先駆者であり、現在はブライダルプロデュース業ほか、レストラン、ドレスショップを展開中。2012 年には、岡山ウェディング協議会会長に就任。

㈱フェイス 代表取締役
福永有利子
レストラン・ゲストハウスのウエディングプランナーから各現場の管理職としてマネジメントを担い、確実に業績を伸ばしてきた。2003 年にウエディングプランナー養成スクール講師をはじめ、06 年より大学にて非常勤講師として教壇に立ち、現在も教鞭を執っている。06 年堂島ホテル婚礼部長に就任、その後08 年同ホテル副総支配人に昇任。09 年には㈱フェイスを設立し、代表取締役に就任。現在は、ホテル・ゲストハウスを主に成約率向上を目的としたトレーニングや集客戦略立案・実践支援などのコンサルティングに加え、ウエディング全般にわたる支援を行なっている。著書・ウエディングプランナーじゃない、アカンのは上司や! 悩める管理職のアメムチ19 の育成術

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