世界規模で「生活総合支援サービス」を展開するリログループの企業である㈱ワールドリゾートオペレーション。バブル期に高騰したリゾートの物件も崩壊後には急落、企業の保養地やホテル・旅館など厳しい経営に直面している。そんな中、独自の送客力と経営力を背景にわずか90 日間で黒字化する事業を展開している。まさに救世主である。そこで今回は短期間で建て直しを行なうための仕組みやノウハウを執行役員 梶山暁史氏にお聞きした。
福永 御社はリゾートのホテルや旅館の再生事業を手掛けていらっしゃるとお聞きしました。まず始めにこの事業に着手された経緯を教えてください。
梶山 当社は2009 年にリゾート再建を目的に設立しました。“世の中の困りごとを解決しよう”という目的で32 年前に創業したリログループ100%出資の企業です。現在、1000 万人が会員として加入されています。困りごとを解決するという視点に立ち、バブル崩壊後、急激な不動産価格の下落により経営が困難なリゾートに着目したのです。本来リゾートは人に「癒し」と「活力」を与える存在であるべきですが、経営困難な状況から事業者やそこに務めるスタッフそのものの力が弱まり、リゾートの効果や価値を提供しにくい状況にまで落ち込んでいます。そこで本来のリゾートを取り戻すために、リログループ会員を生かした送客力と独自の経営力で再建をしていこうと、立ち上がったのです。現在、コンサルティング施設も含めて、全国22 店舗、うち自社施設12店舗を有し運営しています。
福永 ウエディング業界においても全国各地に一気に広がったゲストハウスの運営に行き詰まり感が生じています。消費者ニーズの変化、需要と供給のアンバランス化など、かつてのように建物を建てれば簡単に売り上げを上げられる時代ではなくなってきています。
梶山 リゾートのホテルや旅館、企業の保養所もしかりです。きちんとした収支計算に基づいた経営をされていなかったケースが多く、仮に売り上げは上げていても赤字であったり、人材育成がままならず顧客評価から足元を救われるなど、さまざまな問題に直面しています。ご相談される案件により契約方法は異なりますが、まずは収益の改善をするために現状の数字を徹底的に把握し、改善できるところ、できないところを明確化し、どのような形態で提携することが短期間で黒字化できるのかを模索します。当社は90 日間で黒字化するというスピード感のある再生に努めていますので、まずはオーナー様や運営事業者様から数字情報をいただき、逆算の思考で手段を編み出していきます。
第48 回
Wプロフェッショナルズ 第48 回 ㈱ワールドリゾートオペレーション 梶山暁史 氏 × ㈱フェイス 福永有利子 氏
90日間で黒字化実現の要はやる気アップの人材開発と圧倒的な送客力にあり
【月刊HOTERES 2016年09月号】
2016年09月30日(金)
㈱フェイス 代表取締役 福永有利子 氏
㈱ワールドリゾートオペレーション 執行役員 兼 経営戦略ユニット ユニットマネージャー梶山暁史 氏