ホテル イースト21 東京 オークラホテルズ&リゾーツ
料飲部 料飲課 支配人 齋藤健司氏
宴会サービスの魅力は日々異なるシチュエーションの中でさまざまな出会いや経験ができることです。法人宴会や忘新年会や結婚式など、一つとして同じものはありません。主催者や新郎新婦様、そしてご両親の思いを、具体的な形として作り上げていかなければなりません。特に結婚式は宴会部門の花形であり、個人宴会の最高峰ともいえます。凝縮された時間の中で、生涯思い出に残るシーンを提供するために、緊張感の中で最善な配慮、サービスを提供していかなければなりません。
私は料飲部に配属され5 年目に結婚式のインチャージ(現場責任者)を務めました。挙式が始まる前のご両親へのごあいさつや、親族の方々の顔合わせなど、すべてを任されます。結婚式の前日から重大な責務に緊張感が高まり、結婚式当日は無我夢中で覚えていないほどです。言葉遣いや気配り、目配りそしてスタッフへの指示など、さまざまなことを同時に行なわなければなりません。瞬時の判断力やお客さまとのコミュニケーション力など他の部署ではなかなかできない貴重な経験を通して、人として成長できる素晴らしい部門だと確信しております。最近はホテル業界全体的に結婚式の件数も減少傾向にありますが、ぜひ、結婚式の場面に1 回でも多く立ち会っていただきたいですね。
東京都江東区東陽町という立地から地元の方々にご支援いただき、多くの宴集会にご利用いただいております。さまざまな地域の会合でときには3 日連続でお越しになる方もいらっしゃるほどです。そんなときはできるだけ料理が重ならないよう厨房スタッフに料理メニューのアレンジ依頼もしています。お客さまから“齋藤支配人、よろしく”と名前で呼ばれることもうれしいですね。
今後、取り組んでいきたいことは次世代、20 代後半から30 代の後輩に料飲部の奥深さを伝え、業務にかかわる教育を行なうことです。ホテルに就職し、始めから宴会の仕事を志望するものはいません。しかしながら、多くの人と出会いコミュニケーションが図れること、毎日がちがう体験ができること、そして人生の節目に立ち上える素晴らしい仕事であることを伝え、次世代における宴会事業の活性化につなげていきたいと思います。
連載にあたり
今号より月1 回連載企画として、地場に根ざすスペシャリスト『THE 宴会部(仮称)』をスタート。宴会部は周知の通り地場に根ざしたホテル作りにおいて欠かせない存在です。地域のイベントや法人のパーティ、ウエディング、偲ぶ会など、地域にかかわる人や企業は安心して任せられる施設を求めています。特にホテルにおいてはさまざまな事態においても、何はさておき地域のために最善を尽くす使命にあります。それができるのも宴会部の信頼度、存在感が不可欠です。今後においては海外からのパーティなども増えることが予測される中、ますますその信頼感、存在感は求められることでしょう。
そこで本誌では宴会部に着目し、かかわる方々をご紹介するとともにホテルの存在をアピールできる機会として連載をスタートいたします。HOTERES の読者の半数はホテルにかかわる企業様や学校関係者、最近では金融関係の読者も増えております。読者から新たな集客を得られるチャンスでもあります。ぜひとも、宴会部や宴会サービスの管理職の方々にご登場いただき、宴会部のさらなる発展につながる機会になればと願います。
次号以降は毎号4 人~ 8 人の掲載を重ね、取材を通して宴会営業、宴会サービスにおける課題もお聞きし、今後、抱える問題解決に向けた提案や企画なども本誌として示唆していきたいと思います。自薦他薦結構です。わが宴会部のアピールに向けてご協力いたけるホテル・式場様、ご連絡をお待ちしております。全国どちらでも結構です。ご一報のほど。
連絡先/ TEL:03-6226-2380
E-mail:yamashita@ohtapub.co.jp