Edouard de Brigle
エドワール・ドゥ・ブリュイユ氏
1962 年生まれ。CSR とコミュニケーションのエキスパート。大手国際コンサルタント会社で、戦略&コミュニケーションコンサルタントして15年間勤務後、IT ベンチャービジネスを成功させる。その資金を元に、2004 年にパリでブラインド・レストラン「ダン・ル・ノワール?」を開業し、国際事業グループ「エチック・インベストメント」(2015 年度年商700 万ユーロ)に育て上げる。
「ダン・ル・ノワール?」のコンセプトは?
盲目のスタッフが給仕サービスとガイド役を務める、何も見えない真っ暗なレストランです。そこで、内容が分からないサプライズ・コースメニューを飲食する。大きなテーブルを囲んで見知らぬ人と食事しながら、外見の偏見なしに隣の人と会話をする。そして自分が盲目の状態になり、盲人のスタッフに世話をしてもらう。という3 種類の体験をします。それをどのように感じ取るかは、人によってさまざまですが、最後に「?」が残ることは間違いありません。
盲人スタッフのサービス・ガイド業務の研修は?
全員が未経験者なので、その養成は複雑で時間がかかります。基本研修に3週間、その後もう一人の盲目スタッフとコンビで3 ~ 4 カ月間の訓練をします。そのための弊社独自の研修プログラムがあり、それがフランチャイズ契約の基本ノウハウになっています。
リクルートメントの基準は?
フランスでは従業員20 人以上の民間企業の法定障がい者雇用率は6%。弊社の従業員の50% が重度の障がい者ですが、全く普通会社と同じ条件で、収益を上げることができることを実証するために、特殊な税制措置や支援金などは一切受けていません。レストランの給仕担当のほかに、マネージメント、コンピューター、研修担当の障がい者のスタッフがいますが、リクルートの基準は、ほかの企業と同様に、やる気と能力です。
安全対策は?
フランスでは、暗闇のレストランの営業は法律で禁止されているので、代替安全対策を施すことを条件に、特例措置の認可を受けています。そのための手続きはとても複雑です。パリとロンドンで10年以上営業していますが、これまで全く問題はありません。
客層は?
学生、仏首相、映画スター、色とりどりなお客さまが特徴の、「大衆」レストランです。学生割引料金があり、ロンドン店の10 周年記念には、50 人のホームレスをディナーに招待しました。
貴グループの事業内容は?
常設ブラインドレストラン(4 店舗)のほかにブラインド・スパ(2 店舗)、期間限定レストランも世界各地で開店しています。最近パリにブラインド・テイスティング・ブティックをオープンして、レストランと同様に世界でフランチャイズ展開をします。レストランの成功を基盤に、企業向けの障がい者の雇用、研修などのコンサルタント事業もしています。
DATA
「ダン・ル・ノワール?」Dans le noir?
住所= 51 rue Quincampoix, 75004 Paris France / Tel = 33.1.4277.9804 / http://www.danslenoir.com/ /開業= 2004 年/開業投資額= 85 万ユーロ/床
面積= 250㎡/営業時間=ディナー20 ~ 22 時(毎日)/ランチ13 時~(土・日曜日)/客席数= 60 席/附帯施設=バー、ラウンジ、テラス/従業員数= 16 人、
その内8人が給仕サービススタッフ/パリ以外の直営店=ロンドン、バルセロナ/フランチャイズ店=サンクトぺテルブルク
サプライズ・コースメニューの料金(特別安全対策費14ユーロ+消費税込み)
・前菜+メイン、またはメイン+デザート:ランチ/39ユーロ ディナー/43ユーロ/・前菜、メイン、デザート:ランチ/45ユーロ ディナー/49ユーロ/・テイスティングメニュー(ワイン3種類付き):ランチ/62ユーロ ディナー/65ユーロ/・ガストロノミックメニュー(ワイン3種類付き):ランチ/77ユーロ ディナー/79ユーロ/・ガストロノミックメニュー(シャンパン3種類付き):ランチ/85 ユーロ ディナー/89 ユーロ