世界にはまだまだ日本人が訪れていないホテルがある。このコーナーではホテリエが知っておくべき「世界のリーディングホテル」を紹介する。これまで多くのホテル紹介本が出版されてきたが、そのほとんどが現地のホテルと事前に取材の連絡を取り合い、プロのカメラマンや通訳、そのほか大勢を連れ立っての大名取材であり、宿泊は省略といったことも多々であった。本連載では、著者自身が長年にわたる個人旅行中に自分の目で感じ取り、コメントを書き込み、自分のカメラで思いのままを撮ってきた写真を掲載する。
「La Mirande Avignon」の正面ファサード。17 世紀には枢機卿の邸宅であったという由緒正しき建物は、ホテル全体に漂う上品な雰囲気にその名残を感じることができる
アヴィニョンと言えば真っ先に浮かぶのがアヴィニョン教皇庁であろう。14 世紀初頭にカトリックの総本山であるローマ教皇庁がアヴィニョンに移され、以来68 年間にわたり教皇庁として機能していた。