㈱ニュー・オータニ 代表取締役社長 大谷 和彦 氏
昨年は、ホテル業界にとりまして、インバウンドビジネスの飛躍的増進によりかつてない追い風となり、業界全体が潤うとともに、観光業に新たな将来的展望を実感できた一年であったと思います。
私どもホテルニューオータニは、1964 年、東京オリンピックの年に政府の要請を受けて開業しましたので、お陰さまで2020 年は二度目のオリンピックを迎えることとなります。これからの4 年間は、日本人のすばらしさ・強みとは一体何かということを改めて考え、「和の精神」という原点に立ち返りたいと思います。
確かにスケールメリットやチェーン展開力という面では欧米のホテルの方に一日の長があるかもしれません。しかし、日本人は個々の技術力を掘り下げて極めることを心掛けながら、同時にその「極み」を個々にとどめず組織・チームとして連携させる能力があります。
この「極みの連携」を根源とした「日本型国際都市ホテル」を目指して、弛むことなく努力を重ねていきたいと存じます。そのためにも、ソムリエ、パティシエ、氷彫刻の世界チャンピオンや世界各国のVIP を接遇してきたサービススタッフなど、ホテルニューオータニで働くスタッフのおもてなしへのこだわり、磨き上げてきた職人技をさらに昇華させ、“ 人財” とも呼ぶべき財産として育て、また未来に向けて継承していける環境を作っていきたいと存じます。
そして、スタッフ自身が自分たちのことを誇りと思えるようになることが、ホテル業界全体の向上・発展につながると信じ、ともに新時代に向けての挑戦をし続けていきたいと強く思います。
㈱ニュー・オータニ
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