時代や環境は変わっても “感動する” を大切に時間軸に 左右されない教育システム構築
テーブルコーディネートやブーケ、ブートニアなど挙式場、披露宴会場や新郎新婦を彩るものとして欠かせないのがフラワーアレンジメントだ。かつてはABC からの選択方式でこと足りたが、個性化、多様化する中で通り一遍のアレンジでは満足度を得られなくなった。そこで今回は感性を主とするフラワーデザイナーに向けた教育について、2 年前より本格的に着手している㈱ケイフローリスト 栗原浩之社長にお伺いした。
福永 多様なフラワーアレンジメントニーズが高まる中、基本的な技術や知識はもちろんのこと、ますます新郎新婦やゲストの心に響く感性が求められています。感性は個々の経験値や素養によって異なりますので、一貫した教育が難しいのではないでしょうか。
栗原 まさにおっしゃる通りで10 数年勤めている者と数年の者とそれぞれ時間軸がちがうために、アレンジメントも異なります。その時代、時代で求められるアレンジは異なりますし、習得する技術も異なります。特に長年勤めていると、どうしてもこれまでの手法や技術に偏りがちです。また経験の浅いものは浅いだけの技術力となります。この差をなくしていかになければ今、求められているアレンジを提供し続けていくことはできません。そこで時間が経過しても良い教育プログラムを構築していかなければならないと思い、2 年前より教育体形の見直しを行なったのです。
福永 具体的にどのようなことを始められたのですか。
栗原 まずは全体で意識改革をするために、4 つの委員会を立ち上げました。それぞれが委員会に属し、委員会が行なうべき業務に取り組む機会を設けました。委員会は「改善委員会」「5S 委員会」「仕入れ委員会」「デザイン委員会」です。「改善委員会」は商品アイテムの付加価値アップとコスト削減、「5S委員会」が社会人としての常識である整理、整頓、清潔、清掃、しつけの事業所内での定期的なチェック、「仕入れ委員会」は仕入れ対策と仕入れ時における情報の共有、「デザイン委員会」は新しいデザインの共有を業務としています。事業所が各地に点在していますので、日常的にはグーグル上でアカウントや業務日報など、情報共有することで、各人や各事業所、そして各委員会の動きをタイムリーに把握することができます。