ファーウェイ・ジャパン(華為技術日本㈱)は、ホテルに向けた光回線によるネットワークの構築を提案している。日本では IPC でネットワークを構成しているホテルが多いのが現状だ。おそらくその背景には、光回線は機器・ 工事費が高いという印象があるだろう。光製品を開発してきた 25 年以上の実績を持つファーウェイは、光ファイバーや光回線によるネットワーク機器をリーズナブルに販売している。さらに光のネットワークの構成も一般的な構成よりもシンプルな2層構造のため施工も簡単で、設置しなければならない装置の個数も非常に少なくて済むことから、トータルな導入価格を圧倒的に下げることができる。本社のある中国をはじめ、グローバルな展開で光回線ネットワークを進化させてきたファーウェイ製品の特長をお伝えする。
企画・構成:本誌 長谷川耕平 文:高澤豊希
諸外国はDXや高速ネットワーク環境の整備を進め、新ビジネスを生み出している
長年ホテルを含む多くの施設で回線工事を手掛けてきた㈱ RENIT & ㈱レニプロ代表取締役の勝俣信正氏は、ファーウェイ・ジャパンが展開するファーウェイの製品に対する自身の印象を次のように語る。
「初めてファーウェイの商材を見て、説明を聞いたとき、日本のホテル業界を大きく動かすと思いました。現在の日本にない革新的な技術がつまった商材でした。例えば、DX 化が進んでいないレジャーホテルの場合、室内に LAN ケーブルが 10 本以上配線していますが、ファーウェイの光ファイバーを使うと、1 本で対応できるようになります。これにより、ルームキー、IoT デバイスを利用した客室内のコントロール、客室でのセルフチェックイン・チェックアウト、客室精算などを一元化できるようになります」
勝俣氏によると、光回線はLAN ケーブルの配線より簡単で、機器・工事費を含めて、従来よりリーズナブルな料金で、施設館内の夕食時間やレストラン会場、大浴場の案内をリアルタイムに客室に表示でいるインフラとして DX 化を進めていくこ とが可能という。
「ファーウェイは中国において光ネットワーク機器を長年展開し、高い評価を得てきました。グローバルな状況を見ると、諸外国では DX や高速ネットワーク環境の整備を進めることで、新しいビジネスを次々と生み出しています。それに対して日本は慎重に進める傾向が強く、スピード感に欠けると言わざるを得ない状況にある今、ファーウェイ製品の導入検討する意味があると思います」
透明な光ファイバーケーブルに情報を集約。複雑なやり取りをシンプルに管理できる
一般的なネットワーク機器の場合、ルーター、ファイヤーウォール、L2・L3 スイッチがあり、IP をテレビ専用、ウェブカメラ専用に分けるために複数のメーカーが販売している多品種の装置を接続する必要がある。ネットワークの構築があまりにも複雑であるため、宿泊施設のスタッフが自ら手掛けるのは非現実的と言える。
その点、ファーウェイの製品ラインアップを使えば、ルーターやWiFi PINの性能など、すべてをネットワークコントローラーの管理画面で確認できるというシンプルな構成を実現できる。これらの特長に加えて、ファーウェイの装置は WiFi について 5G のアンテナ技術を使うことでカバー率を高め、ビーイングフォーミングによって人が動く場所を集中的にセンサーする。かつ、ファーウェイの光ファイバーケーブルの画期的な特長と言えるのは、「透明」であることだ。人目につかない透明な光ファイバーケーブルの中に、防犯カメラ、POS レジの情報、お客さまのモディファイなど、すべてが入る仕組みとなっているため、透明な光ファイバーケーブルを館内に引くだけで完結できる。
段階的に光回線ネットワークを導入して数年後に完全切り替えという進め方もある
現在リノベーションを進めている東京・田端の「東京シティビューホテル」のプロジェクトでは、オーナー、オペレーターの双方が回線インフラをファーウェイで固める方向性について検討を始め、部分的に光回線ネットワークを導入する形を模索している。リノベーションの主な目的の1つとして省略化・無人化の推進があり、その実現のためにファーウェイの製品の導入が役に立つと判断したものと思われる。
そのほかにも、展望デッキにLEDの看板を設置し、3Dの映像を流すといったアイデアも、WiFiの速度が桁違いに速いファーウェイの光ファイバーケーブルであれば実現可能だ。
通常のIP ネットワークとの比較において導入時点で40%の削減を達成できる
「旅館・リゾートホテルから、4Kのテレビを導入したいという依頼を受けたことがあるのですが、温泉の硫黄でテレビの同軸ケーブルが酸化してしまっているため、周波数3200メガの4Kを通すことができませんでした。ファーウェイにはテレビ同軸のコンバーターもあるので、透明な光ファイバーケーブルで4K テレビが観られるようになります。従来は特別室だけ4Kをどうしても入れたいからアンテナを別に立てるというやり方での対応もしていたのですが、ファーウェイの製品を導入することで全客室に4Kテレビを設置する道を開くことができます」
ファーウェイがグローバル展開する際、トータルコストを通常のIPネットワークと比較することになるが、60%程度のコストで導入できるケースが多いことから導入時点で40%の削減を達成することができる。中小規模の宿泊施設から補助金の範囲内でとりあえずWiFiだけを変えたいという要望を受けたときは、光ファイバーケーブルのポートも付いているファーウェイのWiFi装置を単体で設置しておいて、将来的に予算ができたら第2弾の効率化に取り組む段階的なDXの推進も考えられる。
ファーウェイは今後も、宿泊業界に向けて後継機種を開発していこうとしている。日本の宿泊業界のインフラを大きく変えるファーウェイの光回線ネットワークの導入を検討することは、日本の宿泊業界における DX 率を一気に高めていくチャンスの拡大につながるはずだ。
ファーウェイ・ジャパンの牧沢宗弦氏(左)、青 山ダニエル氏(右)、レニプロの勝俣信正氏(中央)
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