どんな窮地に立たされても揺るがない信念“情熱” を持ち続け突き進むこと
年間1000 件まで落ち込んだ婚礼件数を4 年間でV 字回復、2000 件超えを達成させたのが、専門式場 八芳園 取締役専務総支配人 井上義則氏だ。そして今、チーム力に“ストーリー”を加え、結婚式だけに終わらないつながる顧客作りに取り組んでいる。その一方でウエディングノウハウを発展させたイベントプロデュースに着手。新たな一歩を確実な足取りで踏み出している。
ウエディングは“ 達成感産業” なり
福永 八芳園さんを訪問するととても温かさを感じます。スタッフの方の笑顔や声のトーン、そして一つ一つのアイテムにも温かさを感じました。井上専務は1000 件まで落ち込んだ状況から2000件に回復させた立役者としてウエディング業界でも注目されています。若手スタッフをけん引していくことがなかなかできずに悩んでいる管理職が多い中、どのようにしたらチーム力を高められるのか、また今後はどのようなことを考え進めていかれるのかなど、お聞きできればと思います。
井上 ウエディングは“達成感産業”であることです。全体目標、個人目標、そしてお客さまから感謝されたときに感じる達成感です。そのためにはまずは全体目標、つまりゴールを決めてそこに向かっていくために上司が情熱を持って取り組まなければなりません。私は八芳園に入社する以前、東京・池袋にある専門式場に勤めていました。“オレは必ず一番になる”という意志を持ち4 カ月間完全ノルマで体当たりし、強い意思の下、自身が立てた目標を達成することができたのです。このとき、1 つのゴールに向かうことに対する達成感を実感したのです。
福永 そして八芳園さんでは“チームウエディング”を提唱されていました。
井上 個々の意志が強ければ、そしてそれぞれが力を発揮すれば瞬間的な数字は上がるでしょうが、経験値も知識も感性もちがいます。持続的に全体を盛り上げていくためには、チームとして目指すビジョンやミッションが必要です。といってもそれぞれに目線が異なりますので、まずは現実を知ることです。個々に何ができるのか、何ができないのか、社内的に何が求められているのかなど、自分自身の現状を第三者的な目線で理解させることです。その上で全体のゴール、ビジョンを決めていくことで意識が同じ方向に向き始めます。このとき火種がようやくつきます。あとは焚き火のようにチームの熱い思いは燃え上がり始めるのです。