今回は山形県の県庁所在地、山形市を取り上げる。同市は最上義光や鳥居忠政などが城主を務めた山形城の城下町として栄え、現在は県内の行政、商業などの中心を担っている。山形県には銀山温泉や蔵王温泉スキー場など人気の観光スポットの他、サクランボや米沢牛、木工家具など多彩な名産品も有している。以下に山形市のマーケットと山形県の観光マーケットをみていこう。
文殊リサーチワークス http://monju-rw.com
1. マーケットポテンシャル
山形市は中核市であり、人口は24 万0441 人(2023 年1 月1 日現在) で、山形県全体の23.1%のシェアを占める。
県内で最も多い人口を有する中心都市である。その他の県内主要都市(市部)を見ると、鶴岡市が12 万0398 人で、県内では山形市と鶴岡市の2 市のみが10 万人以上の人口を有している。その他では酒田市が9 万7395人、米沢市が7 万7232人、天童市が6万1052人で、これらの都市が5 万人以上の人口を有している。それ以外の市部はおおむね1~4万人台となっている。(図表1)
過去5年間の増加率(23年/18年)を見ると、山形市は▲3.1%と減少トレンドになっている。その他の県内主要都市を見ると、東根市のみ0.3%の横ばいとなっている。東根市は山形空港や山形新幹線の停車駅を有し、子育て支援施策に力を入れ、新興住宅地開発も推進した。それ以外の都市は全てマイナストレンドをなっている。県内では山形市と天童市の▲1.5%、寒河江市の▲3.3%が比較的減少幅が小さい。
山形市の年齢構造を見ると、若年人口比率は17.0%、適齢期人口比率は20.0%で、若年人口比率は全国値(16.7%)を上回り、適齢期人口比率は全国値(20.9%)をやや下回っている。県平均値(15.8%、17.7%)からはどちらも上回っている。その他の県内主要都市を見ると、若年人口比率は東根市が18.6%と高く、その他では天童市が17.4%、寒河江市が17.1%で全国値を上回っている。適齢期人口比率は東根市が21.4%で、県内で最も高い比率になっている。(図表2)高齢者比率を見ると、山形市は29.9%であり、全国値(28.7%)を上回っている。その他県内主要都市を見ると東根市が28.4%で全国レベルを下回っている以外は全て全国値を上回っており、比率も30 ~ 40%で、高齢化の進展が深刻化していることがわかる。
将来推計人口をみると山形市はすでに減少フェーズに突入しており、2045年頃には2015 年ベースから20%程度減少すると推計されている。その他の県内主要都市を見ると、将来的に2015年ベースの20 ~ 60%程度減少すると予測される。その中で若年人口比率や適齢期人口比率が比較的高い東根市は減少幅が緩やかである。将来的に山形市が県内で最も多い人口を有することは変わらない。県内で山形市に次ぐ都市である鶴岡市、酒田市、米沢市は減少幅大きく、米沢市は天童市と同レベルになると推計されている。(図表3)
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2024年8月号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 《山形市編》
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2024年08月14日(水)