(株)西武・プリンスホテルズワールドワイドとオリックス・ホテルマネジメント(株)が2024年7月1日より、箱根エリアでそれぞれが展開するホテルなどの運営施設において、共通の倉庫から食材を各ホテルにまとめて配送する「共同配送」の協働を開始した。西武・プリンスホテルズは2016年に自社の都内ホテルにて「共同配送」を開始し、これまで箱根・伊豆エリア、西日本エリアと徐々に実施エリアを拡大したが、他社との共同配送の試みは今回初めてとなる。
共同配送イメージ
「共同配送システム」は、ホテルが食品を仕入れる際に各取引先から各ホテルに直接納品するのではなく、取引先は指定の倉庫に納品し、その倉庫から各ホテルが必要な食品のみをまとめて配送するシステムである。同社では、2016年より都内8ホテルを中心に共同配送システムを順次導入し、2022年に箱根・伊豆エリア、2024年に京都府・滋賀県を中心とする西日本エリアへと実施エリアを拡大。これにより各取引先は各ホテルへ個別配送が不要となり、ホテルも各取引先との個別対応が不要になるため、双方の業務効率向上につながる。
また、ホテルへの納品車両の削減により、トラックドライバーの手配を最小限に抑えることが可能となり、昨今注目されている物流の「2024 年問題」におけるドライバー不足の解消やCO2 排出量削減、ホテル近隣の交通渋滞緩和につながる。今回の箱根エリアにおける両社の「共同配送システム」の協働は、こうした社会課題の解決に向け共同で取り組むことにより地域連携を強化し、観光業の持続的成長への貢献を目指している。