HOTERESの月刊化、そしてこの2月に創業70周年を迎える小社に対し、海外のトップホテル企業はじめ世界で活躍する諸氏からさまざまなメッセージが寄せられている。本編では2カ月間にわたり海外から寄せられたメッセージを紹介する。
カペラにしかないホスピタリティー
日本で働いた経験を持つ者として、HOTERESを発行するオータパブリケイションズの70年という節目を心よりお祝い申し上げます。
カペラ・ホテル・グループの核となる強みはパーソナライズされたラグジュアリーという根強い哲学です。素晴らしいデスティネーションの環境、伝統、コミュニティーの奥深さを私たちは豊かな感性によって感じ取り、ハード、ソフトともにその美しい自然の景観に無理なく溶け込み、地元の文化のエッセンスを極上のラグジュアリーと融合させ、お客さまそれぞれに合った本物の没入型体験を創造することこそが私たちの強みです。
このアプローチはもちろんアメニティだけでなく、カペラの目的を理解し、エンパワーメントされたスタッフが豊かなホスピタリティーの心でお客さま一人ひとりの事細かな嗜好をつかみ、他には無いタイムリーなサービスを提供します。
グループホテルが数々の賞を受賞
2023年は旅行市場の力強い復活が見られました。この復活は収益面だけでなく、お客さまのエンゲージメントとロイヤルティにおいてもパンデミック前の2019年の業績レベルをも上回る業績が見られました。
文化的な観点からのラグジュアリーな体験の中にサステナビリティにもフォーカスをした取り組みが、カペラホテルグループを訪れる多くのお客さまの共感を呼び、業績はもちろん、私たちカペラホテルグループのブランド価値の向上につながりました。その結果、私たちは「TRAVEL+LEISURE」の「WORLD’S BEST AWARDS 2023」や「THE WORLD’S BEST HOTELS 2023」など数々の賞を受賞することができました。
よりパーソナライズドされた体験を追求
私たちの軌道は拡大と革新に向かっており、継続的な成長を見込んでいます。私たちがフォーカスすることは、ユニークで思い出に残る、オーダーメイドの体験をお届けすることに変わりはありません。アジア以外の地域にも拡大を図るとともに、パーソナライズされた有意義な旅行に対する需要の高まりに対応するため、体験の多様化をより推し進めていきます。
パーソナライズドされたゲスト体験のためには。今後よりデジタルの活用が重要となってくるでしょう。急速に進化するテクノロジーは私たちのオペレーションにおいて極めて重要な役割を果たしています。私たちは常に新しいツールを取り入れ、導入することで、チームの効率を高め、ゲストへのパーソナライズドされた体験の提供に集中できるようにしています。テクノロジーやAIといったデジタルの統合と、私たちの大切にしている文化的に豊かな体験の創造へのコミットメントを組み合わせることで、私たちはホスピタリティ業界の未来の最前線に立つことができるのです。
今後もカペラは着実な成長を続けていきます。2024年には日本においても大阪にパティーナが、京都にはカペラが進出します。継続的な成長のためにも、私たちはカペラが最も大切にしているパーソナライズされた、文化的に没頭できる体験の提供と、世界をリードするラグジュアリーホテルとして持続可能で責任ある旅行の新たな基準を示すことが必要だと考えています。私たちはカペラとしてのホスピタリティーを磨きながら、独自のレガシーを創造していくことをお約束します。
Profile
ヒルトンのグループホテルのレストランマネージャーとしてのキャリアを皮切りに、ザ・リッツ・カールトン、ブルガリ ホテルズ & リゾーツ(ミラノ)を経て2007年からは約4年にわたりブルガリ ホテルズ & リゾーツの日本の総支配人も務めた。その後ザ・リッツ・カールトンのアジア太平洋地域の運営部長、ワン&オンリー・リゾーツの運営担当副社長、日本のエディションのクラスター総支配人を経て20年9月にカペラホテルグルーにCOOとして参画、21年8月より現職。