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海外からのメッセージ ビクソン・ホスピタリティー・グループ 代表兼最高経営責任者 レイモンド・N・ビクソン氏

日本のデスティネーションとしてのポテンシャルは非常に大きい

2024年03月29日(金)
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 HOTERESの月刊化、そしてこの2月に創業70周年を迎える小社に対し、海外のトップホテル企業はじめ世界で活躍する諸氏からさまざまなメッセージが寄せられている。本編では2カ月間にわたり海外から寄せられたメッセージを紹介する。

 オータパブリケイションズの70周年と、50年以上継続されているHOTERES誌にかかわってきた多くのチームの皆さまにお祝いを申し上げます。アジアのマーケットリーダーであるHOTERESというブランドを築き上げてきた努力はとてつもないものであったと思います。太田進氏とチームの皆さま、おめでとうございます!

 私はこれまで世界のさまざまな国のホテルをマネジメントした経験を持ち、そして今も世界中のラグジュアリーホテルのコンサルティングやアドバイザリーを手掛けていますが、その視点から見て日本のホスピタリティーの未来は明るいと感じています。観光としてのデスティネーションとしての魅力はもちろん、ウェルネスのデスティネーションとしても大きな魅力があると感じています。

 私が日本のホスピタリティーと接する中で感銘を受けたのは「生きがい(Ikigai)」という言葉です。これは「自分自身のしていることを愛する」という哲学であると私は理解しています。そして、これは私が幼少期を過ごしたハワイの「アロハの精神」にも通ずるものがあります。日本は古来よりそうした精神があり、これは現在注目されているウェルネスにもつながるものです。
日本には古来より豊かなウェルネスの伝統があり、豊かな自然がそれをさらに高めています。グローバル・ウェルネス・インスティテュートによると、日本のウェルネス経済規模は2412億ドルで、世界第4位、APAC第2位となっており、さらに年平均成長率8.6%の力強い成長が予測されています。日本のウェルネス文化は、天然温泉、健康的な食事、自然な運動、健康的なライフスタイルなど、現在も根強く残っています。

 日本のブルーゾーン(長寿の国)の、生活に対する禅の哲学、日本の伝統は、ウェルネスを定義する文化の国として認識されています。ウェルネスに対する消費者の関心とニーズの高まりによって、日本の観光市場はより成長をしていくでしょう。

 そして、日本の「“おもてなし”の芸術」も重要な要素です。ラグジュアリーなホスピタリティーの領域ではゲストはよりパーソナライズされたサービスがもとめられるでしょうし、それが正しく行なわれることで感情的なつながりが生まれ、ゲストは喜んでその特別な価値にお金を支払うでしょう。そして、そのようなサービスを一貫して提供できることでそのブランドに対する“ジャンキー(熱狂的なファン)”を生み出すのです。

 日本には数多くのユニークなデスティネーションがあります。ウェルネスデスティネーションとしての魅力も含め、日本は大きな観光のポテンシャルを持っています。もちろん、その魅力を体現するにはデザインや建築、そしてそれを体現できる人材を獲得することが成功のための重要なテーマです。

 日本のデスティネーションのさらなる発展をニューヨークの地から祈念をしております。


Profile
マンダリン・オリエンタル・ホテル・グループ、リージェント・インターナショナル・ホテルズで27年間経営に携わった後にタージ・ホテル・グループの最高経営責任者兼マネージング・ディレクターを12年間務めた。レストラン、レジデンシャル、スパ、運輸、航空ケータリング、不動産など多角的な事業をマネジメントしホテル事業では4ブランド、世界16カ国に137のホテルを統括した。現在はニューヨークを拠点としホスピタリティ・マネジメントのアドバイザリー&コンサルティング業務を統括。過去、インドで開催されたホスピタリティ・インベストメント・カンファレンス・サウス・アジア(HICSA)で2019年生涯功労賞を受賞。また、2006年にはジョンソン&ウェールズ大学からホスピタリティ経営学名誉博士号されたほか、HOTELS Magazineの2007 Corporate Hotelier of the Worldにも選出された。スイスのエコール・オテリエール・ド・ローザンヌ卒。ハーバード・ビジネス・スクールで上級管理資格を取得している。

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