ワインビジネスにおけるサステナビリティについてのパネルディスカッションが行われた。パネリストには、The Fladgate PartnershipのAdrian Bridge氏、Richard Hemming MW、Golden Agri-ResourcesのAnita Neville氏、Sustainable Wine RoundtableのTom Owtram氏、Wines of ArgentinaのMagdalena Pesce氏が登壇した。
中でも興味深かったのが、Richard Hemming MWの指摘で、消費者に訴求するにしてもセグメントによってエンゲージメントにも差があるので、コミュニケーションを変えないといけない点だ。消費者の購買行動を鑑みた上で、購買のプロセスを深く知ることが必要になる。また、瓶などの問題にも触れつつ、瓶が好まれる傾向は、昔のスクリューキャップの問題に似ているとし、重さなどカーボンフットプリントへの影響を業界として考えていく必要があることを指摘していた。
他にも、業界レベルで検討していく必要があること、それには、プログレスをきちんと見える化して透明性を高める必要があり、大手がソリューションをシェアしていくことの重要性についても議論がなされた。
サステナビリティは環境問題だけでなく、経営もどのように継続していくかということも含まれる。自社のみが対応をするのではなく、業界全体としての取り組みも必要となってくる。そうした場合に大手がその知見を共有し、方向性を示すのは有効だと思われる。
瓶の問題は、先日のシャンパーニュの記事でも触れたが、個社での取り組みも重要だが、業界として一丸となって行う必要性が改めて強調されたパネルディスカッションであった。特に業界ならではのディスコースに陥らないためにもAnita Neville氏のようにワイン業界以外の知見から話をされることは貴重であった。
担当:小川