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2023年4月14日号 トップインタビュー ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ総支配人 高良 真理氏

トップインタビュー ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ総支配人 高良 真理氏

【月刊HOTERES 2023年04月号】
2023年04月13日(木)
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----開業から今年で5年目に突入しますが、これまで特に尽力してきたことは。

 ひとつ目は<地元採用>です。上層部は異動も多くなりますが、最終的にここに残って働き続けてくれる人がホテルの文化を継承していきます。GMが変わり、新しい風が吹くことも大切ですが、現場へのカスケードダウンにはマネージャーの存在が大きい。だからこそ、地元で採用したスタッフをマネージャーレベルにまで引き上げたいと強く思っています。

 もうひとつが<地方創生>。地元の方でも知らなかった大分の良さをディスカバーし、国内外に発信することに力を入れてきました。また、地元の旅館やホテルとの結びつきも大切にしています。IHGとしても別府は温泉リゾートへのチャレンジでしたが、ひとつのホテルの力でできることには限界があります。1泊2日のショートトリップではなく、リゾート地として長く滞在していただくためには、地元とタッグを組み、コンテンツを一緒に考え、つくりあげていくことが大切です。

 コロナ禍では地元の宿泊施設とスタッフ向けの特別レートを設定し、お互いに泊まり合うという試みを行ないましたが、ここから学ぶことも多かったですね。例えばマルチタスク。ホテルは分業化がベースにありますが、旅館はマルチタスク。その働き方を取り入れるべく、シフトにトレーニングを組み込みました。今、ロビースタッフは客室のファイナルチェックまでできますし、ドアマンでもチェックインができます。きちんとしたトレーニングを行なうことで、明日異動になっても即戦力になるため、本人もキャリアアップできますし、ホテルも必要な時に必要な人員を供給できます。

----最後に、ホテル業界の未来を担うホテリエに向けてメッセージをお願いします。

 業界のボトムアップは急務だと思います。現在、このホテルでは6:4で男性スタッフの割合が多いのですが、管理職となると 49%が女性、かつ多国籍です。ホテル業界の離職率の高さを鑑みても、公正な人事評価制度をつくることや、女性が結婚や出産によって仕事を諦めなければならないというバイアスを壊すことは必須だと感じます。
 
とは言え、ホテリエ全員がGMを目指す必要はなく、レベニューやマーケティングが得意であればDOSMという選択肢もありますし、接客が好きであればワンランク上のおもてなしをするクラブフロアの専属スタッフを目指すのもいいと思います。大切なのは、この業界で自己実現ができること。今、ゴールが見えなくても目の前にある仕事に取り組んでいれば、いずれステップアップが見える時期がきます。その時にはマネージャーに相談してもらいたいし、マネージャーもそれに気づかなければならないと思います。それぞれがキャリアプランを描くことのできるホテルをつくっていくというのが理想です。
 
 また、昔のホテル業界は残業が多く、長時間労働のイメージがありました。私自身も男性に負けないように!と深夜まで仕事をした時期がありましたが、今はスタッフに早く帰るよう促しています。それは“プライベートの時間が人を強くする”からです。実際に休暇の前後では、確実にその後の方がパフォーマンスの質が上がります。ルールは必要に応じて柔軟に変え、それぞれの状況や希望に合わせた業務を与えつつ、キャリアプランも活かす組織をつくっていくことが求められている時代だと思いますし、仕事へのパッションがあればそれが叶うのだということを次世代に伝えていきたいですね。

 

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