毎週、お酒に関わらず飲料を様々な視点で紹介したり考えてみるコラム「Drink of the Week」。
第6回のテーマは、コンティンジェンシーです。(そして2回目の食品…)
SWITCH CUBE gummy
”自分でオンを作る”ノンカフェインのナチュラルグミ。
自分で「オン」の状態をつくるという発想にグミを使った点がユニーク。
【販売元】UHA味覚糖
コンティンジェンシー
以前、「五郎丸ポーズ」というのが話題になりましたが、プロスポーツ選手がルーティーンの一環で行う儀式のようなものは、皆さんも生活の中でも行われているのではないでしょうか?このグミは、やる気の状態に入る「スイッチ」としての役割を売りにした商品で、コンセプトが良いと感じて手に取りました。
マーケティングの本は巷に多くあり、マーケティングに興味のある方も多くいらっしゃると思います。しかし、消費者行動論をメインにした本は意外に少ないと思います。消費者行動を情報処理の観点から捉える枠組みでMAO(M:モチベーション、A:アビリティ、O:オポチュニティ)というものがあります。このうち、動機づけとなるモチベーションと、能力であるアビリティは内部要因となりますが、情報処理機会に関しては外部要因となります。
集中して仕事を捗らせたいという動機があり、その動機を満たすための情報探索(例えば、カフェインやタイムハックとか効率化を調べる)が行われます。情報処理機会はタスクやコンテクストによるのですが、このグミだと、自分でその機会をつくれるところがポイントだと思います。パッケージの裏面には、タスクリストを記載する欄もあったりして、よく考えられている商品だと感じました。
様々なシーンで、それぞれタスクやコンテクストが異なり、「あの時は欲しくなかったけど、今欲しい」というのはまさにそんな事情をさしています。様々な新商品には、マーケティングのフレームだけでなくMAOと合わせて考えることで、Ad hocな「今欲しい」を演出してくれる工夫がされています。目につく新商品を購入した際には、自身の消費者行動を振り返ってみるのも良いのではないでしょうか。
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【今週のカバー】La Meunière, France
先週に引き続き、フランスのリヨンにあるブション。旅行の楽しみの一つである食。地元の方に混じって楽しめる醍醐味があります。ボルドー滞在中に現地の方に予約して貰ったのですが、ちゃんと予約ができているか不安でした…。想い出深いブションの一つです。
担当:小川