年間休日 120日。業界トップクラスの労働環境が企業の成長を後押しする
―それと同時に、役割分担を明確にすることで現場の方がサービス以外にさまざまな仕事を背負わされない仕組みも重要ですね。
代田 はい。現場のサービスは現場のスタッフの方に、ホテルを売るなどは本社のセールスやレベニューマネジメントチームに分けることで、現場のスタッフの方に過度な負担が行かず、労働環境が厳しいと言われがちなホテル業界でも十分な休日が取れるようにしています。
―日本だけでなく世界中でホテル業界は人不足です。そうした環境整備は重要なのですが、なかなか簡単なことではありません。
山本 それを実現するのがわれわれマネジメントの役割です。異業種と比較しても負けない休暇を含めた労働環境のほか、キャリア志向の方には成長環境を、サービス志向の方にはその希望に合った環境を用意する、そうしたことが求められると考えています。
代田 その一例として、マイステイズ・ホテル・マネジメントでは育児休暇の男女別の差を撤廃しました。男女問わず育児休暇を取れます。さらに、小学校3年生まで育児休暇を認めています。
―通常は3歳までとか、保育園に入園するまでとかをよく聞きます。そこまでの取り組みは稀有な事例だという印象です。
成長のために “人 ”のさまざまな部分に投資をされているわけですが、そのほか、すでに業界でもトップクラスのグループに成長をされている中で、これからの構想、チャレンジなどを教えていただけますでしょうか?
山本 ホテルグループとして、ロイヤルティプログラムの構築は次のチャレンジです。私たちグループのお客さまに OTA経由でなく自社 WEBを経由した予約をしていただきたいと考えています。
一方、他社様もさまざまな努力をされていますので、弊社としてほかにはない取り組みも重要です。そこの鍵となるのは、弊社の親会社となるフォートレス・インベストメント・グループが株式を取得したアコーディア・ゴルフとの協業です。アコーディア・ゴルフは日本全国に 132のゴルフ場を保有しており、約 400万人の会員を有しています。
アコーディア・ゴルフとの相乗効果はマイステイズ・ホテル・マネジメントとしても大きな可能性を持つと考えており、ロイヤルティプログラムの強化のために取り組んでいきます。
―運営軒数の増加、業界でも特筆した人材への投資など成長著しいマイステイズ・ホテル・マネジメントのこれからの構想について、教えて下さい。
山本 足下でも複数のホテル運営案件の交渉を進めていますが、運営軒数で業界のトップを狙うなど、具体的な数値目標を意識しているわけではありません。私たちの強みはさまざまな業態を運営できる能力であり、各施設に対するお客さまからの評価などを大切にしています。
一方で、これからも新規ホテルの買収や運営受託など、成長は続いていくでしょう。また、フォートレス・インベストメント・グループ所有の案件の運営だけでなく、外部オーナーの運営受託の実績も出始めています。今後は、さまざまな形態での運営案件が増えていくでしょう。
同時に、この成長を実現していくためには “人 ”が欠かせません。労働環境、やりがいなど、多方面での努力をしながら、優秀な方をお迎えし、活躍していただき、企業としても成長をしていく。その実現を目指し取り組んでいきます。