○○さんの教え通りにという枠はないか
仕事は人につく。なるべくつかないように、再現性のあるように仕組み化しなければならない。これは業種業界を問わず人気のキャッチフレーズである。その人がいなくなったらなくなってしまう商品を避けるために必要なことはよくわかる。頭で考えればいけそうな気もしてくる。しかし本当にそんなことができるのだろうか。つくった人の 100%コピーのマニュアルなど本来存在しないものである。
マニュアルに落としこめるのは平易なものや最低限ここまでを示すもの。あるいは、標準作業を定めるのが限界であろう。匠の仕事のコピーをつくっていこうとすれば、古いコピー機のように、コピーのコピーが薄くなるように、輪郭がぼやけた切れ味の悪い廉価版になっていくだろう。世間で○○ジュニアという様に呼ばれる後継者たちも大きく分ければ廉価版と発展版の二つに分かれているように感じる。
以前の印刷業 A社では意図している訳ではないが、完全コピーの廉価版モードとなっていた側面がある。少なくとも社長の判断、社長の意向でつくられるタウン誌 Xに関わっている時に周りは気をつかってしまっていた。受注して作成した広告への修正や企画提案が受け入れなれない理由がはっきりとしないから、本気モードで自分の色を加えて形で仕事を進めている人はいなかった。
2022年10月7日号 売上アップ解体新書 ~お客さまとの仕合せをつくる超専門企業を目指して~ 12回
テーマ(6)-II:社長の商品からみんなの商品へ(後編)
【月刊HOTERES 2022年10月号】
2022年10月06日(木)