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2022年1月7-14日号 特集II 新時代を創る NEW GENERATIONS

特集II 新時代を創る NEW GENERATIONS インタビュー NOT A HOTEL(株) 代表取締役 濱渦 伸次 氏

【月刊HOTERES 2022年01月号】
2022年01月13日(木)
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ショールームなしウェブ広告なし SNSだけで物件を販売

――最初に NOT A HOTELの事業モデルを教えてください。

一言でいうと自宅でもあり、別荘でもあり、ときにはホテルにもなる、そんな新しい暮らしを提供するのが NOT A HOTELの事業モデルです。例えば普段は自宅として使い、海外出張に行く年間 180日間をホテルとして運用するなどです。

 これまでホテルの部屋をオーナー制度として販売するビジネスモデルはありましたが、NOT A HOTELの特徴は、ロケーションと物件のパースのみで販売し、調達資金が目標額を超えた時点で着工することです。完成後はもちろんオーナーが使うこともできますし、ホテルとして活用する場合は NOT A HOTELが管理、運営を担います。ロケーションは有名観光地などではなく、オーナーが非日常を感じながら過ごせる場所を選んでいます。

――事業を展開する上で 2021年はどのような 1年でしたか。

 2020年 4月に会社を立ち上げたのですが、そのときは絶望しかありませんでした。最初の緊急事態宣言が発出されたときでしたから。その中でも 18.5億円の資金調達ができ、土地の仕込みから販売開始まで進んだという意味ではよい年でした。実績がまったくない、建物も一つも建っていない中でしたが 21年 9月 28日には販売を開始し、約 2カ月で全体の 8割に当たる 30億円以上を販売できました。来年には最初の NOT AHOTELが宮崎と那須に完成します。

――NOT A HOTELの事業モデルをいろいろなところでプレゼンテーションされていると思いますが、設立当初といまでは受け止められ方が変わってきていますか。

 当社はホテル業界に関わった者がまったくいないところからスタートしていますので、そんなホテルが売れるわけがないというのが最初のころの周りの声でした。宮崎のような観光地としてそれほど強みがあるところで売れるはずがないと。実際は数億円の物件をお一人で購入された方もいますし、シェア購入などで那須は完売し、宮崎は 3分の 2が売れました。マスコミに記事も掲載され、その反響はすごかったですね。そういったことから最初の声とはだいぶ変わってきたと感じています。私自身は 2度目の起業ですが、スタートアップは無理だと言われれば言われるほど燃える性格なので、当初の声に耐えながら準備して、販売開始にこぎつけた喜びは大きかったですね。

――実際にどのような方が購入されているのでしょうか。

 購入者は当初想定したターゲット通りの 30代、40代の経営者が100%です。ほとんどが起業家や上場企業の役員の方です。これまでリゾート会員権を買われている顧客層とはまったく違う層に刺さったという感触があり、そういう意味では想定通りの結果になっていると思っています。これまでのような完全所有でなく、使わないときにホテルにできる無駄がないシェアリングのような考え方が生まれ始めている世代でもあります。実は投資目的で購入される方はほとんどいませんでした。利回りもそれほど高くありませんから使わないときにホテルとして貸し出せるという安心感で購入される方が多かったと思います。

 購入者の意見を聞くと、コロナ禍でどこでも働けるようになったのでホテル住まいでも構わないけれど、キッチンがなかったり、自身の荷物をおいておけないなどの問題があるとのこと。NOT A HOTELはそんな課題を解決し、長期滞在のニーズに応えられるプロダクトであることを確認できたのはよかったと思います。

――どのように顧客を見極め、集客していったのでしょうか。

 構想段階から海外向けの販売は考えず、国内のターゲットに絞りました。それはペルソナが自分自身だったからです。一度会社を売却し、住むところにこだわり、建築やアートが好きだったり。自分が欲しい物をつくれば、そういうターゲットに刺さると考えたのです。物件のペルソナに当たる人の気持ちがわかるというのは強みでした。

 また、今回はマーケティング費用も一切使っていません。ウェブ広告も打っていませんし、ショールームもつくっていません。あくまでもターゲットに対して一番刺さると思われる SNSを中心に拡散しました。よくわれわれはホテル業の DXと言われますが、不動産販売の DXという側面もあり、新しい売り方ができたと思っています。
今後は、海外の方が見に来やすい環境をつくったり、オンライン購入できるようになっていけば海外向けの販売もできると思います。その場合は売り方や広告費のかけ方も違ってくると思いますが。

 

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本記事は2022年1月7-14日号 特集の一部紹介記事です。
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