個別に取り組んできたこと同士が時を得て結びつき、新たな展開へと広がっていった
島田 海外輸出はどのような活動によって伸ばしていったのでしょうか。
佐浦 有志蔵元の勉強会で、日本酒の会議普及および輸出拡大の重要性についても問題意識を持つようになり、縁あってフランスのボルドーで奇数年に開催される「ヴィネクスポ」というワインを中心とした世界最大級の国際展示会に、1999年から合同で出展を始めました。
出展したことで、新しい出会いもありました。特に大きかったのが、オーストリアのワイングラスメーカー、リーデル社との出会いです。ある日本の蔵元から日本酒に合うグラスの開発の話を持ちかけられていたリーデル社が、「どこから進めればいいのかわからないので相談に乗ってほしい」と私たちに声をかけてくださったのです。
そこからご縁が始まり、大吟醸グラスの開発プロジェクトがスタートしました。私たちもグラス選考のために開かれたワークショップに参加したのですが、100種類以上あったグラスの中から最終的に1つを選び、2000年4月の大吟醸グラスのリリースにつながりました。日本酒の歴史において重要な出来事の1つに関わることができて、とてもうれしかったです。