3. 販売価格の設定
販売価格の設定にはさまざまな要件が関わってきます。販売価格は客単価の基であり、客単価は予算策定時の基になります。さらに言えば客単価は結果としての数字ではなく、こちら側が想定し誘導したい単価でなければなりません。
また単価と数量は対になっており、単価を上げても客数は変わらないものとし、利益が増加すると考えるのはやや短絡的であり、FBC としては単価を上げた場合には客数は下降すると想定した方がいいかもしれません。数量の減少は調理過程における製造ロスなどにつながる場合もあり、必ずしも粗利がそのまま増えるとは限りません。レストランのランチブッフェ・ディナーブッフェなどは明らかにその影響が出ます。
販売価格を値上げし、客数を維持するために料理内容をグレードアップすることもありますが、この時は当然のことながら原価をかけることになり、それでも客数が伸びなければさらにロスを拡げる結果となります。
販売価格の設定は基本的に仕入れ値、レシピによる標準原価、適正原価率を基準としますが、やはりマーケティングの視点―情報収集、競争環境に重きを置かなくてはなりません。販売価格を先に設定し、粗利益とのバランスを見ながら使用材料や原価が検討されて行くということもあります。
第3回
連載 F&Bコントロール
第3回『どのようにコントロールするか(その2)』
【月刊HOTERES 2015年09月号】
2015年09月24日(木)