江戸時代の大阪商人の気質をホテル内外で表現
----白いビル群の中に真っ黒なビル、W 大阪はその外観から非常に個性を感じます。
デザイン監修は大阪ご出身の世界的建築家である安藤忠雄氏が手掛けています。おっしゃっていただいたホテルの外観は黒を貴重にした一枚岩のようにシンプルではありますが、館内に一歩足を踏み入れると色鮮やかなネオン装飾など華やかな内装が隠れたデザインコンセプトとなっています。ここには、かつて江戸時代に「奢侈(しゃし)禁止令」という、贅沢を禁止する法令が度々出されていたのですが、大阪商人は表向きは控えめに装い、内々では豪華さを極めた粋な遊びを楽しんだと言われており、W 大阪では大阪商人の遊び心をデザインに反映しています。そのほか、インテリアデザインの中心となったのはオランダのコンクリート社。和の要素を取り入れたデザインや、真っ赤な丸い机は上から見れば日の丸に見えるなど、彼らの目線で見た日本の良いものを館内で表現してくれています。
----世界最初のW ホテルが誕生して長く経ちますが、そのブランドは進化をしているのでしょうか?
W ホテルは1998 年ニューヨークでの誕生から20 年以上が経ちます。さまざまな文化がミックスされたカオスの中に生まれたW ホテルですが、アメリカで生まれ、ヨーロッパやアジアに展開していく中で当然良い意味での変化はありました。W ホテルの良いところは国の文化などで影響を受けながら変化をしている点です。一方で、基本的な軸は変わっていません。W ホテルは「パッションポイント」とそれを呼んでいますが、「デザイン」、「Music」、「ファッション」、「FUEL」で、これらはどのW ホテルにおいても変わっていません。