外食全体の売り上げ前年比94.3% コロナ新規感染者数の落ち着きとともに、見かけ上の売り上げは上向くも、実質の分析が必要
10 月は、コロナの新規感染者数が比較的落ち着き、自粛緩和ムードも出始め、飲食消費回復への支援策等を背景に外食全体の売り上げは、前年比94.3%となったが、全体平均を上回ったのは麺類を除くFF 業態とFR 業態の中華・焼き肉だけ。特にオンライン予約によるGoTo 支援策は、事業者が予約サイトに支払う登録料および予約客一人当たり手数料などを差し引いた数値がでるまで、キャッシュフローが好転したか否かの判断は現段階ではできない。
業態別では、ファストフード(FF)業態は引き続き業種間で回復に差があるものの、テイクアウトとデリバリーの需要が堅調な洋風がけん引し、店内飲食も回復していることから、全体売り上げは101.8%となった。「洋風」は、ドライブスルーのテイクアウトやデリバリーが高水準で推移していることに加え、各種キャンペーンにより店内飲食も回復109.1%となった。「和風」は、高単価の季節メニューや新商品等の好調もあり、売り上げは101.4%。「麺類」は、一部の商業施設立地の店は回復もあり、売り上げは90.9%。
ファミリーレストラン(FR)業態は、コロナ新規感染者数の落ち着きにより客足が戻り始め、全体売り上げは91.3%となった。
飲酒業態は、繁華街立地の苦戦と、法人の大規模宴会が戻らないことなどから、他業態と比べて、明らかに回復が立ち遅れ、業態全体の売り上げは63.7%、「パブ・ビアホール」は売り上げ53.6%、「居酒屋」は66.2%となった。
ディナーレストラン業態は地方や観光地立地の店舗で一部回復がみられたが、繁華街立地や法人需要が多かった店は依然として厳しく、売り上げは79.6%となった。
喫茶業態は人出が増えたことで、ターミナル駅周辺や商業施設で活気は戻ったが、依然としてビジネス街立地での客足の戻りが弱く、売り上げは79.0%にとどまった。
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