実現したいイメージの明暗を想定して挑む
196 号、197 号を通じ、A社の方針共有、前半部分を紹介してきた。浸透から共有への転換ポイントは下記の四つ。浸透は上から下への浸透であり、共有は実践者の中心に位置する方針である。198 号は、方針と日常業務をつないでいくためのIII・IVの部分について触れていく。
Profile
岡村衡一郎
(おかむら・こういちろう)
1971 年生まれ。亜細亜大学卒。(株)船井総合研究所を経て、2004 年(株)スコラ・コンサルト入社。120 社を超える企業変革を支える。「会社が変わるとは何か」、「人がイキイキ働くには何が必要なのか」を考え続け、「一品」という変革コンセプトを発見、体系化する。支援先の起源や今あるリソースを足場に、「あるもの」から「ないもの」を生み出す一品イノベーションに多くの経営者ファンを持つ。変わるためのテコをあぶりだす「経営者オフサイト」、「『一品』で会社が変わるワークショップ」を主催。著書に『一品で会社を変える』(東洋経済新報社)、『30 代でチームのリーダーになったら最初に読む本』(同社)など
ご意見・ご質問お待ちしております
okamura-kouichiro@scholar.co.jp
I. 来期方針に対して感じていることを、まず、出し合いましょう。
II.そもそも、何のために、来期方針を実践していきますか。
III.方針を実践する媒介は、ズバリ! 何にしていきますか。
IV.数値も大切です。量は数値で測れるとして、質を測る
もう一つのモノサシはありませんか。A社ではI・II・IIIの対話のプロセスを通じて近未来に提供したい価値のイメージが、管理職メンバー間で共有された。同時に列挙された項目を次の二つに仕分けした。近づけていく項目と来期中の必達の項目である。新方針には、現在の保有能力だけではたどり着けない未来を描いているのだから、当然と言えば当然だ。