ホテルは生き物。流れを察知し、根拠を持って臨むことが重要
■ホテルにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
長野 今の多くのホテルは、料金を感覚でしかとらえていません。しっかりした根拠を持って支配人に説明できる人は少ないと言えます。アンドプラスであれば、フォーキャストの機能もあるので、売り上げ目標を達成するにはどうしたら良いかをブッキングカーブに基づいて説明・提案できます。支配人も現場に任せきりにするのではなく、支配人の目線でスタッフを教育していただきたいですね。もう一点は、垣根を越えたレポートが可能になることです。具体的には、現場が打ち込んだデイリーのGOPもオーナーはダイレクトに見られます。
■サイトコントローラーの「TEMA-IRAZU」と連携しました。どのような利点がもたらされたのでしょうか。
進藤 日々の動きを追い掛けながらレート変更ができるようになりました。自分たちの在庫がどれだけあり、サイトコントローラーにどれだけ出しているかも簡単に見られます。具体的には、プラスマイナスで10 以上のときには、アラート機能により知らせてもらえます。ブッキングカーブを去年と比較しながら、月ごと、日ごとで見て行くことも可能です。ホテルは生き物なので、流れを察知しないといけません。直近だけだと値段勝負になってしまいます。そうならないためにも、まずは自分を知ることが重要です。
■システム開発にあたってのスタンスや苦労を教えていただけますか。
進藤 代表から開発を持ちかけられたのは、5 年前です。「業界のデファクトスタンダードになるよう、誰でも使えるシステムにしたい」と言われました。以来、システム開発に携わってきましたが、開発を通していろいろな方々と話ができることが技術者として楽しく、そしてうれしいです。開発に向けてはアジャイル開発を意識し、短期間で機能を一つひとつ作り上げてきました。使いやすさという点では、レスポンシブWeb デザインを採用したり、目的にたどりつきやすいようUIにも配慮しました。やり続けていけばカタチになると信じているので、これからも情熱を持って開発していきたいと思っています。
■導入施設数からの反響はいかがですか。
長野 現状の導入施設は、無料版を含めて100 くらいです。「予約の見える化によって意識が変わった」「日々の連続した動きが見えるので、今まで曖昧であった料金コントロールを自分たちの言葉でしっかりと説明できる」「目標達成に向けた議論が活発になった」「フロントの引き継ぎが楽になった」など、多くの声が寄せられています。
■今後の展開についてお聞かせください。
長野 さまざまな機能を追加して、より使いやすいシステムに仕上げていきたいと考えています。例えば、「予約経路別のブッキングカーブを知りたい」といったご相談もいただいています。他社にないノウハウをどれだけ詰め込んでいけるかが、差別化に向けて何よりも重要です。それだけに、NBSの各スタッフが日々施設のサポートに携わるなかで蓄積されるノウハウをどんどん取り込んでいきたいです。
先の予約の急な増減や兆候をANDPLUS がアラートで注意喚起するのでレベニュー担当者はすぐ に対応が可能となる