ロマンが先、ソロバンは後。5年間で贔屓客をどれだけ作れるか。
(株)立飛ホールディングスは今年6 月、立川駅北側に新しい街区「GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)」を開発した。その核となる「SORANO HOTEL」を開発段階から任されたのが坂本裕之氏である。「立川の都市格を上げるために上質なホテルを創ってほしい」というデベロッパーからの依頼を引き受けた。しかし、「観光客が来ない街」「地元の競合ホテルと競争するな」「婚礼と宴会ビジネスはやってはならない」という難問を突き付けられた。この難問をどう解いたのか、6 月8 日に開業したばかりの「SORANO HOTEL」を訪問し、坂本COO に聞いた。
(株)立飛ホスピタリティマネジメント
取締役COO
坂本 裕之 氏
(Hiroyuki Sakamoto)
1980年神戸ポートピアホテル フレンチレストラン「アランシャペル」などを経て、人事総務などバック部門でもマネジャーとして経験を積み、92年ハウステンボス・ホテルヨーロッパ料飲部迎賓館担当、95年に料飲部長、97年ホテルヨーロッパ支配人に就任。ホテルヨーロッパの総指揮のみならず、ハウステンボス5ホテルのサービス部門統括も担う。98年ウェスティン淡路の開業準備室、室長代理を務めた後、99年ホテルグランヴィア京都に迎えられ、2001年には取締役副総支配人に就任。以降、様々な要職を務め、JR職員以外のプロパーとしては初めて08年常務取締役総支配人に就任。11年にザ・ウィンザーホテルズ インターンショナルに、取締役総支配人として迎えられるまでその辣腕を振るう。ザ・ウィンザーホテルズで3年間総指揮をとり、ホテル売却のタイミングで、15年京都センチュリーホテルに取締役常務執行役員として迎えられ、同年6月には代表取締役専務に昇格。グループのフラッグシップホテル開業準備も併せて担う。現職には17年7月から着任。