今回取り上げるのは兵庫県第2 の人口を抱える姫路市。同市は人口だけではなく商業販売額も神戸市に次いでおり、兵庫県西部における中心都市を形成している。以下に姫路市と兵庫県西部のマーケットポテンシャルと共に兵庫県内の観光ポテンシャルについて見ていこう。兵庫県のマクロなマーケット構造については前回の神戸市編を参照していただきたい。
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1. マーケットポテンシャル
姫路市は人口52 万9626 人(2017年3 月末)を擁している中核都市だ。県内人口に占めるシェアは9.6%で、神戸市の27.3%から大きく差は出ているが県内第2 位の人口規模を有している。姫路市は県西部の中心都市と言えるだろう。その他兵庫県西部主要都市を見てみると、加古川市が26 万6018 人で西部エリアでは姫路市に次いで人口規模が大きく、それ以外の都市は高砂市の9 万1695 人、豊岡市の8 万3369 人と続いている。姫路市と加古川市の2 市のみが西部エリアで人口10 万人以上を有している都市だが、姫路市の人口が突出して大きいことがわかる(図表1)。 過去5 年間の人口増加率(17 年/12 年)を見ると、姫路市は▲ 0.8%の微減となった。その他兵庫県西部主要都市を見ると、加古川市が▲ 1.2%、高砂市が▲ 2.8%、豊岡市が▲ 4.4%と、エリア全体としてマイナストレンドになっている状態である。しかし、主要都市の中に10%以上の大きなマイナスは見られない。
姫路市の年齢構造を見ると、若年人口比率は20.1%、適齢期人口比率は25.0%であり、若年人口比率は全国レベル(18.0%)を上回り、適齢期人口比率はほぼ全国レベル(25.1%)の結果となった。その他の兵庫県西部主要都市の若年人口比率を見ると、加古川市の19.8%が姫路市に次いで高いレベルで、それに次いで高砂市の19.5%、たつの市の19.1%、赤穂市の18.7%が比較的高い値となった。適齢期人口比率を見ると、加古川市が25.6%で最も高く、次いで高砂市が25.4%で、これに姫路市を含む3 市が全国レベル以上となっている。
兵庫県西部主要都市の高齢者人口比率(65 歳以上人口比率)を見ると、姫路市は21.6%で全国レベル(23.0%)を下回っている。若年人口比率、適齢期人口比率ともに全国レベル以上の都市では全国レベルを下回っているが、それ以外の都市では全国レベルを上回って高齢化が進展している。特に養父市(33.1%)、朝来市(30.3%)、豊岡市(28.2%)など北部の都市で高齢化が顕著になっている。
人口シェアを上回っていることから周辺の婚姻マーケットを吸引していると思われる。婚姻率は4.98 件で、概ね全国レベル(4.93 件)であり、兵庫県レベル(4.67件)は上回っている。その他兵庫県西部主要都市を見ると、姫路市以外の都市は全て全国レベルを下回っている。西部エリアでは姫路市のブライダルマーケットのポテンシャルが高いと言える。城下町という格式の高さもブライダルには親和性が高いと考えられるだろう。
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※各種図表、「兵庫県西部主要都市の人口マーケットトレンド」「兵庫県西部主要都市の年齢構成」「兵庫県西部主要都市の将来推計人口」「将来推計人口推移」「兵庫県西部主要都市の婚姻マーケットトレンド」「兵庫県への観光入込客数トレンド」「兵庫県主要観光地観光入込」など、解説、図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入、または電子版有料版にご登録いただけますよう、お願い申し上げます。
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