「ウェルビーイング」をFBにおいていかに具現化していくか。
オープンに向けて胸が高まる
SORANO HOTEL
Deputy Director, Operations
堀内 茂一郎氏
2020年5月東京都立川市に開業するSORANO HOTEL(ソラノホテル)。Deputy Director, Operations料飲全般の責任者をしている堀内氏に、SORANO HOTELへの入社を勧めてくれたのは、かつてザ・ウィンザーホテル洞爺で一緒に働いていた同僚だった。「こういうホテルが新たにできるんだけど、君に合っているんじゃないかな」と。それで興味を持ち、運営会社である立飛ホスピタリティマネジメントの取締役COOの坂本氏と会い、入社することに。今回は堀内氏に開業準備の楽しさ、苦労、そして描く未来を聞いた。
ホテルの開業準備に全力で取り組む。
イチから創り上げていくやりがい、面白さを実感
堀内 私にとって、ホテルのオープンは初めての経験です。今は開業準備にどっぷりと浸かり、オープンとはこういうことなのかと体感している真っ最中です。SORANO HOTELの場合は、チェーンホテルではないので、イチから創り上げていかなくてはいけません。これも決めなければいけないのか、ここまでやるのかということの連続ですが、それがやりがいというか、面白いところです。
現在の役割は、FB全般の開業準備。
SORANO HOTELでは、FBにどう取り組んでいこうとしているのでしょうか。
堀内 ホテル全体のコンセプトが「ウェルビーイング」なので、レストランもその考えを踏襲しています。ただ、ウェルビーイングってすごく曖昧な言葉なので、共通認識を持とうというところからスタートしました。レストラン側から見たウェルビーイングとは、お客さまにおいしいものを食べていただき、幸せになってもらうことを念頭においています。私たちが目指しているのは、いつでも行けるし、行ったらおいしく食べられて、気軽で値段もそれほど高くないレストラン。そういった感じのものがホテルでもできないかと思い描いています。
ただ、新しいことに挑戦しようとしているだけに、さまざまな課題にも直面している部分もある
堀内 一番の課題はクロスオーバーフードと呼んでいるのですが、和食ベースに様々な国の料理のエッセンスを掛け合わせて、お客さまにより洗練された料理を出していくことです。言葉にするのは簡単ですが、それをどう表現するかは本当に難しいです。バーもウェルビーイングに絡めて何か新しいものをやりたいのですが、それがどういったものであるとホテルらしくなるのか悩んでいます。コンセプトができていても実際にカタチにするのは、本当に難しいものがあります。
自分をバージョンアップさせるために帰国。
海外での経験も生かし、未知となるミッションに挑む
堀内氏にとって今回は、これまでの人生の集大成と言える挑戦であると言っても良い。実は、堀内氏の経歴はとてもユニークで、数々のターニングポイントを糧にして、今のポジションに至った。
新卒で専門商社に入社したものの、「何か違う」と感じ、思い切って方向転換、料理学校で調理を学ぶ。卒業後、勤務したレストランですぐに調理に携われるかと思ったら、「まずはお客さまを見なさい。ニーズが分からないと良い料理を作れない」と言われサービス業務に。やり始めたらどんどん面白くなっただけでなく、ワインの奥深さを知り「今まで飲んでいたものが一体何だったんだろうと思うくらいでした。これはもっと勉強する価値があるのではと決心しました」と、ソムリエを目指すことに。ザ・ウィンザーホテル洞爺の3ツ星レストラン「ミシェル・ブラス」に移ったのも、「もっとスキルを上げたい」と思ったからこそ。そこで、念願かなってソムリエとしてデビュー。一歩ずつ着実に成長していった堀内氏だが、どうしても20代のうちにやりたいことがあった。それは、旅行者としてではなく生活者として海外を味わうということ。学生時代からの念願をかなえるために、堀内氏はニュージーランドに単身で渡り、現地のレストランで働く機会を得た。その海外での経験は堀内氏の大きな財産となった。
堀内 ニュージーランドの人たちは、日本人ほど長く働くわけではなく生活を楽しんでいます。それに、自分たちの家族をすごく大切にしています。それがあっての仕事、人生だと考えています。どうしても日本では画一的な発想になりがちですが、ちょっと違った視点、こういう生き方もあるのかと教えられました
堀内氏は11年ほどの期間をニュージーランドで過ごし、永住権を得ることもできた。そんな中で日本に帰国した理由は何だったのでしょうか。
堀内 きっかけは、結婚でしたが、30代後半となり、もう一回ブラッシュアップしなければいけない、自分をバージョンアップさせたいという気持ちが強かったですね。それだけに、SORANO HOTELの立ち上げに参画できたことは、幸運と言えます。国内や海外で培ってきた経験を生かして、自分にとっては未知となるミッションに挑むことができる機会を得られたからです。
僕らなりのウェルビーイングを確立するためにも
新たな仲間を迎え入れたい
堀内 今一緒に働いている仲間には、坂本COOとどこかでつながっているメンバーが多数います。『一つ上を目指して新しいことをやってやろう』『違ったものを作ってやるぞ』という方々が集まってきているなとすごく感じています。また、年齢や役職にかかわらず、できる人、やりたい人にいろいろチャンスを与えてくれるのも、このホテルの良いところです。何しろ、坂本COOも『30代のGMが出て来たら良いじゃないか』とずっと言っているくらいですからね。
「このホテルで実現したいことが二つある」とのことですが
堀内 一つは、ホテルのレストランだからこそできることをカタチにしたいです。良いものは取り入れながら、しっかりと自分たちのスタイルを確立させて、周辺の人たちが、『あそこは、どこにも負けない。絶対に行った方が良い』と言ってもらえるようなレストランにしたいと思っています。もう一つは、ウェルビーイングをうたっているホテルなので、お客さまもわれわれ従業員も心身共に健康になれるホテルを創っていくことです。働くことも大切ですが、自分たちも楽しめる環境を作り上げていきたいという気持ちが強いです。
今世界中が、ウェルビーイングに着目しつつあります。そんな中で、ソラノホテルが社会にどんなインパクトをもたらしていくのか楽しみでなりませんね。もちろん、それは堀内氏一人の力でできるものではないでしょう。新たな仲間を求めているのもそのためですね。
堀内 「僕らなりのウェルビーイングを確立していく必要があります。さらに、それをどんどん広げていくためにも、興味ある人たちが参画してくれれば良いと思っています」
SORANO HOTELはスタッフを募集しています。
コンセプトはWell-being、 心にもからだにも健やかであること。
ゲストにも環境にも、そしてスタッフにも!ぜひ応募ください!
https://www.hotel-ya.com/jobs/a13/soranohotel/company
【本レポートは3回に分けてご紹介をしています】
1.「逆さまなホテル」を創る① 観光客が来ない土地に、存在感のあるホテルを生み出す
2.「逆さまなホテル」を創る② 観光客が来ない土地に、存在感のあるホテルを生み出す
3.「ウェルビーイング」をFBにおいていかに具現化していくか。オープンに向けて胸が高まる(今回)
■ホテル概要
名称:ソラノホテル(SORANO HOTEL)
運営会社:株式会社立飛ホスピタリティマネジメント
所在地:東京都立川市緑町3-1 W1 SORANO HOTEL
オープン日:2020年5月12日
客室数:81室
公式サイト:https://soranohotel.com/
SORANO HOTEL
Deputy Director, Operations
堀内 茂一郎氏
プロフィール
千葉大学工学部情報工学科を卒業後、エコールキュリネール国立フランス・イタリア料理学校で1年間調理を学ぶ。卒業後、2002年から2年間、レストラン・ラ・ビュット・ボワゼ(東京世田谷区)でサービス全般を学ぶ。2004年にザ・ウィンザーホテル洞爺の3つ星レストラン「ミシェル・ブラス」にシェフ・ド・ランとして入り、2年目以降はソムリエとして、ワンドリンクサービスを担当。2005年にはソムリエ試験に合格。2007年、ミシェル・ブラスを離れ、海外経験を求めニュージーランドに渡航。オークランドのTribe Ca Restaurant & Bar に入社。サービス全般を担当し、3年目以降はマネージャーとして活躍。2010年に、Manager Certificateを取得。2011年には、同じくオークランドのKazuya Restaurant の立ち上げに、マネージャー&ソムリエとして参画。 2015年からは、系列店のZool Zool Ramen & Bar のマネージャー兼ソムリエ兼務。在ニュージーランド11年を経て、2016年に帰国。同年11月から、マンダリンオリエンタル東京に入社。料飲部フレンチダイニング シグエンチャーのアシスタントマネージャーを務める。2018年11月SORANO HOTEL 開業準備室に入社。現在F&B全般の開業準備にあたっている。