今回は京都府の府庁所在地である京都市を取り上げる。古都・京都は金閣寺や二条城、三十三間堂など寺社仏閣や城郭があり、歴史ある風情に多く触れることができる都市だ。また、修学旅行の定番地であり、インバウンドにも人気のスポットとなっている。以下に京都市のマーケットと京都府の観光ポテンシャルを見ていこう。

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1. マーケットポテンシャル
京都市は人口137 万5773 人（2017年12 月末人口）を有する政令指定都市である。人口シェア54.7％と、京都府内の約半数以上の最も多い人口を有している。その他の府内主要都市をみると宇治市が18 万5940 人でこの2 市のみが京都府内で人口10 万人以上を有している。それ以外の都市で比較的人口規模の大きい都市は亀岡市が8 万9605人、舞鶴市が8 万4130 人、長岡京市が8 万153 人となっている。京都市から第2 の都市までの人口比が7 倍以上離れており、京都府内における人口構造は京都市の一極集中であることがわかる。（図表1）

増加率（17 年／ 12 年）をみると京都市は▲ 0.5％の微減となっている。その他の府内主要都市では木津川市、京田辺市が5.1％、日向市が2.1％、長岡京市が1.0％と、この4 市のみがプラストレンドとなっている。それ以外の都市は全てマイナストレンドで、宮津市（▲ 7.9％）や京丹後市（▲ 6.1％）、綾部市（▲5.5％）の3 市が比較的減少幅が大きい。（図表2）

京都市の年齢構造を見ると若年人口比率は16.9％、適齢期人口比率は27.8％となり、全国レベル（若年人口比率18.0％、適齢期人口比率25.1％）と比較すると若年人口比率は下回ったが適齢期人口比率は上回っている。その他の府内主要都市をみると若年人口比率は京田辺市が23.9％、木津川市が21.8％と高く、その他にも亀岡市が19.6％、宇治市が19.4％、舞鶴市が19.2％、日向市が19.1％など、10 市が全国レベルを上回った。適齢期人口比率は京田辺市が27.1％、木津川市が26.2％、長岡京市が25.8％、日向市が25.5％、八幡市が25.2％で全国レベルを上回った。京田辺市、木津川市、日向市、長岡京市、八幡市の5 市は若年人口比率も高いことから京都府内で若いマーケットが集中している。

将来推計人口をみると京都市はすでに減少フェーズに入っていると推計されている。（図表3）2040 年頃には2010年ベースから約13％程度減少するとみられている。その他の府内主要都市をみると、木津川市、京田辺市は今後もプラストレンドが続くと推計されており、木津川市は2040 年頃、京田辺市は2025 頃まで増加すると見られており、特に木津川市は将来的に府内3 位の人口規模を有する亀岡市を上回ると推計されている。すでに減少フェーズに入っている都市は将来的に2010 年ベースの10％～ 40％程度の減少になると思われ、図表1 で人口減少幅の大きかった宮津市、京丹後市、綾部市、南丹市の4 市は将来的に30％以上の減少になると見られている。将来的にも京都市の一極集中には変化はなく、今後も京都府内で最も高い人口ポテンシャルを維持できる。

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※各種図表、「京都府主要都市の人口マーケットトレンド」「京都府主要都市の年齢構成」「京都府主要都市の将来推計人口」「都市勢圏」「拠点性と流入傾向」「京都府主要都市の婚姻マーケットトレンド」「京都府の観光目的日帰り・宿泊比率」「京都府の観光目的県内・県外客比率」「京都府の観光消費額単価」「国籍別訪日外国人の京都市への訪問率」など、解説、図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入、または電子版有料版にご登録いただけますよう、お願い申し上げます。
 
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