今回は滋賀県の県庁所在地、大津市を取り上げる。大津市は比叡山延暦寺や日吉大社など多くの文化財や名勝を有している。また、国内最大の湖である琵琶湖に面しており、沿岸には多くのリゾートホテルやレストランが立ち並び、ウォータースポーツも楽しめるリゾート都市を形成している。以下に大津市のマーケットポテンシャルと滋賀県の観光マーケットを見ていこう。
1.マーケットポテンシャル
大津市の人口は33 万8546 人(2017年3 月末人口)で、滋賀県内の人口シェア24.3%と県内で最も多い人口を有している。その他の県内主要都市をみると草津市が12 万9735 人、長浜市が11 万7065 人、東近江市が11 万2429 人、彦根市が11 万600 人で、これらの都市が滋賀県内で人口10 万人以上を有している(図表1)。
増加率(17 年/ 12 年)をみると大津市は0.7%の微増となっている。その他主要都市を見ると、概ね半数の都市が横ばいから増加トレンドとなっており、草津市が5.7%、守山市が4.0%、栗東市が3.5%で、県中央部を走るJR 東海道本線沿線かつ大津市に近接している都市の成長性が高いことがわかる(図表2)。マイナストレンドの都市を見ると、高島市が▲ 5.1%、長浜市が▲ 3.5%、米原市が▲ 2.8%、甲賀市が▲ 2.8%となっており、主に県北部に位置する都市で減少幅が大きくなっている。
大津市の年齢構造を見ると若年人口比率は20.0%、適齢期人口比率は25.3%となり、若年人口比率、適齢期人口比率ともに全国値(若年人口比率18.0%、適齢期人口比率25.1%)を上回った。その他の県内主要都市をみると若年人口比率は栗東市が24.2%で最も高く、次いで守山市が22.5%、東近江市が20.7%、草津市が20.5%、彦根市が20.4%など全国値を上回っている都市が多く存在している。適齢期人口比率は草津市が31.7%、栗東市が30.5%、湖南市が28.6%、守山市が27.9%とこちらも全国レベルを上回っている都市が多いことがわかる。高齢者人口比率も全国レベル(23.0%)を下回っている都市も多いことから、県内全体において若く活性化したマーケットが多いことがわかる。
将来推計人口をみると大津市は2020年頃までは増加し、2030 年頃までは2015 年ベースを維持すると推計されている(図表3)。
2040 年頃には2010 年ベースから約3%程度減少すると推計されている。その他の県内主要都市をみると、栗東市、守山市、草津市の3 市は2040 年頃でも増加すると見られており、2010 年ベースから10%以上の増加が見込まれている。将来的にも大津市の一極集中には変化はないが、県内4 位の東近江市と5 位の彦根市と入れ替わり、守山市が甲賀市と近江八幡市を抜く可能性があり、県内マーケットボリュームのパワーバランスが変化すると思われる。
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※各種図表、「滋賀県主要都市の人口マーケットトレンド」「滋賀県主要都市の年齢構成」「滋賀県主要都市の将来推計人口」「都市勢圏」「拠点性と流入傾向」「滋賀県主要都市の婚姻マーケットトレンド」「滋賀県の観光目的日帰り・宿泊比率」「滋賀県の観光目的県内・県外客比率」「滋賀県の観光消費額単価」「国籍別訪日外国人の滋賀県への訪問率」など、解説、図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入、または電子版有料版にご登録いただけますよう、お願い申し上げます。
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