近年の食物アレルギーを含むアレルギー疾患の急増を受け、アレルギー疾患対策への指針策定を国に義務づける「アレルギー疾患対策基本法」が2015年より実施されたことから、フードビジネスに携わる企業はもちろん、国民もまたアレルギー疾患に関する正しい知識を備え、注意を払うことを努めなければならなくなった。そこで、現時点の当事者だけでなく、改めて識るべき「アレルギー対応」について発信する。
NPO 法人アレルギーっこパパの会
理事長 今村慎太郎
Shintaro Imamura
〈Profile〉娘の食物アレルギーをきっかけに、アレルギー対応力が高い企業が食物アレルギーのない人たちから選ばれる社会を目指し、2013 年NPO 法人アレルギーっこパパの会を設立。研修・講演、メニュー開発やコンサルティング、アレルギー対応のためのコミュニケーションWEBサービス「アレコミュ」で、ホテルや飲食店など外食企業のアレルギー対応支援を行なっている。
NPO 法人アレルギーっこパパの会 http://www.arepapa.jp/
2001 年に義務表示5 品目、推奨表示19 品目で始まったアレルギー表示は、04 年にバナナが推奨表示に追加され、08 年には当時の推奨表示であったエビ、カニが義務表示へ移行されました。そして、直近の13 年には、カシューナッツとゴマが推奨表示に追加され、現在の義務表示7 品目、推奨表示20 品目の計27 品目へと変遷してきました。この表示品目は、3 ~ 5 年の間隔で患者実態を踏まえた妥当性が検討され、その時代にあった表示へと見直し、改定が行なわれています。そこで今号では、現在、内閣府食品表示部会で行なわれている表示品目の検討を中心にご紹介します。