第3ターム 学外研修① 開催:平成31年1月12日㈯ 会場:ホテル雅叙園東京
担当部署:東洋大学 研究推進部 産官学連携推進課
講義内容
□「ホテル雅叙園東京の歴史とホスピタリティ」
ホテル雅叙園東京 ホテルマネージャー 松山和善氏/衣装部 部長 本田貴子氏/宴会部 キャプテン 酒井鮎美氏/衣装部 アシスタントマネージャー 倉田明子氏
□講演「ホテルブランディング」
㈱目黒雅叙園 代表取締役社長 本中野真氏
職場における女性の働き方やプロとしての
自覚と仕事への可能性を生の声で披露
観光庁は“ 観光産業をわが国の成長に資する基幹産業”とし、さらに高いレベルの観光立国を目指すために、観光産業の担い手を「観光産業をリードするトップレベルの経営人材」から「観光の中核を担う人材」、さらには「即戦力となる地域の実践的な観光人材」に分類し、人材育成の取り組み強化を支援している。
このうち、「中核を担う人材」の育成事業は平成28 年度からスタートし、平成30 年度は全国10 大学で展開している。
東洋大学は平成29 年度から参画し平成30 年度も継続採択され、「ホスピタリティ産業における女性活用のための組織づくり講座」と題し、ホスピタリティ産業で、総支配人や若女将などのマネージャー層や経営層を目指す女性をメインターゲット、女性の活躍の場を広げたいと考える企業の経営層やホスピタリティ産業の関係者をサブターゲットした、国際観光学部教員と各分野の専門講師による講座を実施している。
第3 タームとなる講座では学外研修として「ホテル雅叙園東京」で実施した。
松山和善ホテルマネージャーからは『誰もが一日優雅に過ごせる空間』を作りたいという創業者の思いや、2028 年創業100 周年を迎える中で“ 大切な人と集う特別な場所” としてあり続けていくために必要なポイントが提示された。
現場で活躍中の3 人はそれぞれのポジションにおける役割ややりがいなどが語られた。
今年で24 年勤務となる衣装部 本田貴子部長は部長の立場としての運営の在り方、単価アップのためにどのような施策を打つか、スタッフにも数字を意識させるための目標の見える化に着手したなど、他責できない部長職としての意識改革などを語った。入社5 年の宴会部 酒井鮎美キャプテンは新たな顧客を見出せる宴会サービスのやりがい、自分次第で顧客に生涯より添うことができる魅力など、結婚式の披露宴で働くスタッフの映像とともに披露した。
入社13 年、2 児の母である衣装部 倉田明子アシスタントマネージャーは産休中に2 人目をみごもったとき“ 人事に聞いてみるね” と上司が寛容に受け止めてくれたときのうれしさや、2 年半ぶりに復帰したとき現状についていけない自分に対して“ 若い社員に教えてあげてね” と声を掛けてくれたひと言など、優しく支えられてきた自身の体験を語った。
本中野真社長の「ホテルブランディング」をテーマとした講演ではホテルにリブランドした背景や今後目指すべき“5 スターホテル”となるための4E「エデュケーション」「エクスペリエンス」「エンターテインメント」「イングリッシュ」の重要性やボトムアップによる組織作りと収益の独立性など組織を指揮する経営者として学ぶべきことを実例や実数を交えて語られた。
現場で活躍している女性たちの声はまさにこれからありたい職場環境を如実に表しており、女性と仕事、女性と会社の向き合い方など改めて考える機会になった。