訪れた生産者たち
Quinta das Arcas
生産者であるアントーニオ兄弟によるテイスティングランチが海辺のレストランでシーフードに合わせて行なわれた。Quinta das Arcasの生産本数は300万本。ヴィーニョ・ヴェルデに200haの自社畑を所有している大規模なワイナリーだ。60%を国内で販売し、主な輸出先は米国、フランスだ。生産量の83%が白ワインで、12%がロゼワイン、5%が赤ワインである。
Vinhos Norte
Vinhos Norteでは、輸出マネージャーのオリヴェイラ氏による自社のワインのプレゼンテーションがあったのち、テイスティングディナーを行なった。1971年創業のこのワイナリーは地上700mの高地にあり、冬は雪が積もる。ヴィーニョ・ヴェルデの11箇所でブドウを栽培しており、ヴィーニョ・ヴェルデ地方の典型的な品種のブドウを使った気軽に毎日飲めるようなワインの作りが特徴。適度な発泡と果実の香りの爽やかな味わいだった。
Adega de Guimaraes
ポルトガル発祥の地と言われる「ギマランシュ」でブドウを選び抜き作られるワイン。1962年創設で、生産量はロウレイロ、アリント、トラジャデューラの順となる。国外輸出が伸びており、日本との取引も増えてきている。品質の良さが評価され、Wine passion wiseの栄冠受賞など受賞歴も多数。
Quinta de Curvos
1976年に設立された家族経営のワイナリー。大西洋の影響と花崗岩の土壌で豊かな日照を受け、ブドウを造っている。良い品質、伝統と革新を心がけワインへの情熱を忘れずに価値の高いワイン造りを心がけている。
Casa de Vila Nova
ポルトガルの王室の末裔と言われているアントニオ・ピノ・ガルツェスが所有していた土地がこのヴィラノヴァでした。1970年代終盤、ランカスター家はポルトガルのネイティブ品種を約12haの土地にブドウを植え、2003年ベルナルド・ランカスターは兄弟と共にこの土地を相続し、ブドウ畑を再生するとともにヴィーニョ・ヴェルデの生産を開始。彼はヴィラ・ノヴァを再び注目されるエリアにするべく、現在70万本こだわり抜いたワインを生産している。
Guapos wine project
15年以上に渡りポルトガルでワイン作りに従事してきたワインメーカーの2人が立ち上げたブランドで、高品質でユニークなワインを作るために設立された。ヴィーニョ・ヴェルデ地方に本拠地を構え、地域・気候・ブドウの品種の個性を尊重したワイン作りを進めている。自社では畑は所有していないが、長年の経験と人脈により優良な畑の所有者と契約をし、畑の管理とブドウ栽培を一緒に行なうことで良質なブドウを手に入れることができている。
〈今回のツアーを終えて〉
日本市場において特定のワインが爆発的に消費されるようになることは簡単ではない。それぞれのワインに歴史があり、ストーリーと想いがあり、それを消費者に伝えるためにはヴィーニョ・ヴェルデ協会のような協力なサポーターが日々、卸、問屋、ソムリエなどさまざまな間に入っている関係者にうまくプレゼンテーションし、心を動かさなくてはならない。単にPRと言ってしまえばそれで終わりだが、生産者の言葉が120%伝わることは非常に少ないと思う。実際現地に言ってみるとよく分かる。ぜひ機会があれば、作り手の気持ちになれるような体験をしてもらいたい。1杯のワインという「モノ」から体験するという「コト」に変わったとき、消費者の満足度が上がり、日本市場での消費につながるのではないだろうか。
■ヴィーニョ・ヴェルデ協会‐CVRVV(The Comissão de Viticultura da Região Vinhos Verdes)コミサォン・デ・ヴィティクルトゥーラ・ダ・レジアォン・ドス・ヴィーニョス・ヴェルデス について
CVRVV(ポルトガル ポルト)は 1926 年に設立されたヴィーニョ・ヴェルデ地域のヴィティカルチャー(ブドウ栽培)コミッション(協会)。CVRVV はヴィーニョ・ヴェルデ DO 及びミーニョ GI 指定の全製品の生産、販売そして認証の監督をしている団体。