続いて、多田計介全旅連会長(石川県・ゆけむりの宿美湾荘)が登壇、「組織力の充実に向け、活動の見える化と情報の共有化の二つのキーワードを掲げ進めて来た」とこの一年を振り返った。中でも大きかったのが民泊問題だが、全国の都道府県約7割で民泊規制の条例制定が実現できたと報告。「住宅宿泊事業法」施行後も適正に運営されるよう注視していくとした。また、喫緊の課題として、人手不足や外国人の就労等について仕組みづくりを推進していくと強調。さらに前日熊本県で開催された通常総会において、「観光立国の実現推進」が定款の条文に加わったと報告。従来通り生活衛生を軸に活動するが、「観光」の一文字が入ったことでこれからは変わって行くと喜びの声を上げた。
厚生労働大臣、国土交通大臣からの祝辞を挟み、小川洋福岡県知事が登壇。まずは九州北部豪雨で甚大な被害が発生した際、全旅連の宿泊施設の部屋を被災者に提供してくれたことへの感謝を述べた。昨年訪日外国人旅行者数が過去最高を記録し、320 万人が福岡県を訪れていることに触れ、今後さらなる増加に備え受入環境を整備していく必要があると力説。県では外国人観光客と宿泊施設や観光関連施設等との円滑なコミュニケーション支援のため、24 時間365 日利用可能な電話通訳サービスを開設したと紹介。外国人客の増加で、県や九州、日本を元気にしたいと抱負を語った。
各種表彰式の後、「違法民泊を徹底的に排除し、経営の安定と国際観光サービスの品質の向上に向け、邁進する」とした大会宣言、「観光立国の推進に向けた、訪日外国人客の受入環境を整備しよう」「地域の安心と安全を守るため違法民泊事業者を排除しよう」「人手不足に対応するため外国人労働者を含む諸施策を実現しよう」など14 の決議文を採択。次期開催地発表で茨城県が紹介され、全旅連青年部の事業告知と続き、万歳三唱で大会式典は幕を閉じた。
多田会長が、何度も関係者や組合員への謝意を述べる姿が印象的だった。感謝の気持ちが伝われば、皆協力するもの。決して強引にではなく人を動かせる、多田会長の手腕が発揮されていた。また、実際それだけ多くの人々から支えられているのだと感じた。二年目を迎えた会長は、今後も頼もしいリーダーシップで業界を牽引し、さまざまな難局を乗り切っていくであろう。
力強く語りかける井上善博実行委員長。掲げられた6 項目は、大会スローガン