奥谷啓介
慶応大学卒業後、ウエスティン・ホテルズアジア地区セールス・オフィスに入社。1989年からシンガポールのウエスティンホテル。その後、サイパンのハイアットホテルを経て、1994年からニューヨークのプラザホテルにて極東地区営業支配人を10年務める。現在、ニューヨークを拠点にホテルコンサルタントを行う。「世界最高のホテル プラザでの10年間」「サービス発展途上国日本」「超一流の働き方」など著書多数。
今や、ニューヨークのホテルは投資家(企業)の魅力的なターゲット。ホテルを買い、目標の値段で売れるときが来たら、売却利益を出して、次の投資へと移行して行く。オフィスビルと違い、運営方法によって、収益の伸び率が大きく変わってくるところに大きな可能性を見出す。彼らの多くは、購入を終えた時点から、次のプランを考えるので、数年でオーナーが変わることも頻繁に起きている。
ニューヨークシティーのホテルは、2014年に平均稼働率89.4%の過去最高値に到達。その後、供給過多となり、86%以上は保っているものの、平均稼働率は平均単価とともに下降線を描いて来た。(平均単価のピークは2008年の309ドル。理由は2008年後半にリーマン・ショックを迎えるまで、住宅バブル景気によって押し上げられたことによる)だが、今年を底辺とし、回復に向かいだす見込み。
ホテルの供給過多状況を見ると、2008年に約76400ルームだったのが、現在は117300ルームと、10年間で40900ルームの増加。さらに、2020年までには138000ルーム以上へと増加は続く。