日本初の「グランドハイアット」ブランドのホテルとして1996 年に開業し、今年23 年目を迎えたグランド ハイアット 福岡。20 周年を境に客室の改装やレストランのリニューアルを行ない、足下の業績は着実に良化をしているという。本項では昨年総支配人として着任をした吉川源太氏に同ホテルの現状と今後のビジョンについて聞いた。
Profile
吉川 源太 氏
(Genta Yoshikawa)
1972 年生まれ。ワシントン州ヤキマバレー・コミュニティーカレッジホテルマネージメント専攻・卒業後、96 年8 月パークハイアット東京入社。スパ、ハウスキーピング、フロント、宿泊予約課を経て、2002 年に宿泊予約マネージャーに就任。07 年4月ザ・ペニンシュラ 東京宿泊予約マネージャーとして開業準備室入社。08 年1 月ザ・ペニンシュラ東京フロントオフィスマネージャー、12 年8 月ハイアット リージェンシー グアム宿泊部長、16 年8月からグランド ハイアット 福岡副総支配人を経て17 年4 月より現職。
グランド ハイアット 福岡
ADR が対前年で10%以上上昇
❒ まずはホテルの簡単なご紹介と、足下の業績の現状について教えてください。
グランド ハイアット 福岡は日本で最初の「グランドハイアット」ブランドのホテルとして1996 年4 月に開業をしました。自宅でくつろぐかのようなレジデンス感のある370 室の客室のほか、三つのレストラン、二つのバー、大小八つの宴会場や会議室、クラブラウンジ、フィットネスクラブなどを備えています。
ホテルの売り上げは総売上の約半分を占める宿泊の伸びがけん引する形で向上しています。稼働率がわずかに上がり、ADR は10%以上向上しました。
❒10%以上のADR 上昇というのはほかではあまり聞きませんね。どういった要因があると見ていますか?
まずは客室のリノベーションです。2 年前に20 周年を迎えたのですが、その年から2 年間をかけて全客室の改装を行なっており、最近その改装が完了をしました。改装の途中段階で総支配人に就任をしたのですが、私自身過去にイールドマネジメントを専門として仕事をしていた経験を生かし、効率的な販売に取り組みました。
また、インバウンドも順調に増加しており、これもADR 向上に貢献をしています。現在の外国人比率は35%で、私が着任当時の2 年前は30%未満でした。アジア圏の人たちにとって福岡はとても来やすい立地にありますから、まだ伸ばしていけるのではと見ています。
もう一つは、インバウンドとも重複をしますがハイアットのお客さまが増加しています。ハイアットのお客さまはエリア内でほかのホテルと比較をするというよりも、ご滞在経験のあるほかのハイアットホテルと比較する方が多いなという印象を持っています。その結果、レジャーで福岡にいらっしゃる際にグランドハイアット 福岡をお選びいただいているのではないかと感じています。