

1886年からフォションが本店を構えるパリのマドレーヌ広場に面した全54室の5つ星ホテルは、すでにザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールドに加盟している。
フォション ロテル パリの開業は、グローバルホテルグループを目指すフォションの今後に控える道のりの第一歩を記すもの。
今年始めには新たな組織としてフォション ホスピタリティ(FAUCHON Hospitality)が設立され、社長兼CEOにジャック= オリヴィエ・ショーヴァンが就任した。過去にルレ・エ・シャトーでCEOを、ヴァン クリーフ&アーペルでは上席副社長等を務めたショーヴァン氏は、そのキャリアを活かし、今後はパリ食文化の旗手として130年間守られてきたフォションブランドのレガシーを活用し、美食、5つ星に相応しいホスピタリティ、テイラーメードの現地体験などを実現した最上級のおもてなしのステージの創造において陣頭指揮に当たるとしている。
ショーヴァン氏は、「今後の戦略的目標は、10年でフォション ロテルのブランドを冠したホテルポートフォリオの構築を20軒達成することです。料理の世界にあらゆる角度で携わってきたメゾン フォションのレガシーをもってすれば、ホテルを開業することはいたって自然な歩み。他社と差別化する明確なコンセプトを打ち出した結果、ありきたりではないホテルブランドが誕生することとなりました」と述べている。
またショーヴァン氏は、フォション ロテルを特徴づけるものとして、ゲストが体験するすべてにおけるグルメアプローチを強調している。たとえば、フォションが開発した全室設置の「グルメバー」は、従来型の客室内ミニバーというコンセプトを打ち破ったもので、すべてのゲストにフォション商品のセレクションをサービスとして提供するもの。その他の特筆すべき点は、イノベーティブで時代を先取りした空気感と最大限の快適性、これまでの典型的なホテル内レストランとルームサービスとはまったく一線を画す飲食の提供、企画力に優れた現地体験の提供などが挙げられる。
フォション ホスピタリティの訴求ポイントはGLAMの4文字に集約されています: GOURMET(グルメ=フランス料理の伝統に忠実で最もクリエイティブなパリの美食ブランドである); LOCALISATION(ロカリザシオン=アーバンライフの中心にある); ATTENTION(アタンシオン=細かい気配りとエクスペリエンス、いずれもカスタムメイドで、通常のエクスクルーシブ ホスピタリティのさらに上を行く); MESDAMES(メダム=ソフィスティケートされた女性たちの声に常に耳を傾け、ダイソンのヘアドライヤー、ちょうど良いサイズのバスローブ、カリタのアメニティなどのリクエストに応じる)。
ローザンヌ・ホテル・スクール卒業後、9年にわたってフォションの国際開発に携わってきたフォション ホスピタリティ副社長兼ジェネラルマネージャーのサミー・ヴィシェル氏は「私たちは現在、カタールのドーハ、日本の京都へのホテル進出について検討中で、また ヨーロッパのもっとも信頼のおける関係者とも踏み込んだ話し合いの段階にあります。米国進出に関しては現地の主要オペレーティング会社とコンタクトを取っています」とコメントしている。
世界に向けた事業拡大においてプライオリティが高いのは、ヨーロッパ、日本、中東、東アジアのフォションが既に進出し認知度の高い国々と、米国のロサンゼルス、マイアミ、ニューヨークや、イギリス、ブラジル、中国といったフォション ホスピタリティのターゲットとなる顧客層の厚い国や都市。
今後のホテル開発モデルは、各地域で高く評価されているマネジメントカンパニーをパートナーとし、F&B(飲食)にアクセントを置いたフォション ロテルの共同経営となる。
9月1日にオープンするフォション ロテル パリは、パリのペニンシュラで高い評価を得ている建築家リシャール・マルティネ氏がデザインを担当。将来のすべてのホテル開発の模範であり、また世界中のすべてのチームを教育するアカデミーとなる。また、同ホテルはフォション ホスピタリティとパリ資本のエスプリ・ド・フランスが共同で運営する。
フォション