「ジョエル・ロブション」ブランドのレトルト食品。仏大手レトルト食品会社「フルリー・ミション」とジョエル・ロブション氏の30 年にわたるコラボ商品。現在7 種類あり、メーカー希望価格は5.50 ユーロ。
「日本酒のおいしさ」を訴求する
「ダッサイ・ジョエル・ロブション」
❏ 6 月19 日にはパリ8 区に、日本酒「獺祭」(旭酒造)とジョエル・ロブション氏のコラボ店として「ダッサイ・ジョエル・ロブション」がグランドオープンしました。
すでにモナコで欧米人の好みを考慮した高級日本料理店「YOSHI」を経営しているのですが、同店の以前のソムリエは日本酒に精通した日本人女性でした。彼女のおかげで、日本酒のおいしさを発見したフランス人のお客さまがとても増えました。私にとっても、日本酒への最初のアプローチとなりました。それから「獺祭」の桜井社長と出会う機会があり、日本酒の繊細なおいしさを私自身が発見しました。「ダッサイ・ジョエル・ロブション」は、フランス人にそのおいしさを知ってもらうするためにオープンしました。フランス人は日本酒のおいしい飲み方を知りません。ずっと以前に、世界最優秀ソムリエの田崎真也氏と会食したときに、「日本酒はフランス料理、ワインは日本料理の方が相性は良い」と話していたことがとても印象に残っています。
フランス特有のチーズや
キャビアにも日本酒はマッチする
私にとって、キャビアに一番合う飲み物は日本酒と思っています。この組み合わせは欧米人の好みの味です。個人的には、日本酒と西洋由来の食材との相性をいろいろと試していますが、「モン・ドール」チーズや山羊のチーズと日本酒との調和は本当に素晴らしかったです。日本酒に合うグラスも探したのです
この商品は現在業界最大手であるフルリー・ミション社の売上高の約1 割を占めるフルリー・ミション社(1905 年創立)の商品管理開発部長を務めるローラン・マルコ氏。「ジャマン」時代にロブション氏の料理人を務め、その後同氏の依頼で、フルリー・ミション社に入社。29 年間にわたって同社の商品の品質改善に取り組んでいるが、日本では見つからなかったので、特別に日本酒用のグラスを開発しました。(おちょこで日本酒をいただく)日本人からすれば間違っている感覚かもしれませんが、私はグラスで飲んだ方がおいしいと思います。地上階の入り口は、ベーカリー&パティスリーのテイクアウトコーナー、最近パリでも知られはじめている日本風の調理パンも販売します。
その奥に「獺祭」のテイスティング・バー、その隣にティー・サロン、2 階がレストランになっています。ミシュランの星を狙うような高級レストランではなくて、トレンディーなパリジャン好みの日本風でヘルシーな料理のカジュアルな店です。シェフ・パティシエは、私の香港のパティスリー・ショップを大成功させた中村忠史氏です。とてもライトで繊細なあまり甘くない現代の嗜好に合ったパティスリーです。彼は世界のパティスリー・ショップのベスト・パティシエだと思います。ベーカリー・シェフも私と一緒に仕事をした日本人です。
先日、フランスのベーカリーショップで販売しているパンとパティスリーの75%以上は、専門工場で生産されている冷凍食品だというニュースを聞きました。昨年の10 月にニューヨークに開店した私のベーカリーショップで日本人が作っているパンはニューヨークで一番おいしいという評価を得ています。日本のパンとパティスリーは世界で最高だと思っているので、それをパリでも紹介したいと思っています。「ダッサイ・ジョエル・ロブション」の店では、パン、ヴィエノワズリー(菓子パン)、パティスリーはすべてその場で作って販売します。このように日本人スタッフによる日本的なエスプリの店なので、今年の日仏友好160 年を記念する取り組みになると思います。
フルリー・ミション社(1905 年創立)の商品管理開発部長を務めるローラン・マルコ氏。「ジャマン」時代にロブション氏の料理人を務め、その後同氏の依頼で、フルリー・ミション社に入社。29 年間にわたって同社の商品の品質改善に取り組んでいる