桜やボタンのように人間も自然の生き物
~自分にとって居心地の良い場所を求めているのです~
例年より早い開花となった今年の桜。夏日かと思えば雪が降ったりなど、自然の中で生きている植物の体内時間を狂わせてしまいました。4 月始めに開催される競馬のG1レースの桜花賞も今年は葉桜のもと開催されました。本来はレース開催日に合わせて土に氷を埋め込んで開花するタイミングを人工的に作り出していたのですが、今年は急激な温度の上昇に応急処置も間に合わず、開花を止めることができなくなったようです。
あるとき、タクシーのドライバーさんが“私はボタンを育てているのですが、今年の5 月には花が1 つも咲かない。これまで大切に育ててきたのですが、寒暖の差により通常の通りに育てることができなかった”と言うのです。ボタンは美しさを象徴する植物であり、美しい女性の容姿や立ち居振る舞いが、「立てば芍薬、座れば牡丹…」と形容されてきました。
第27回
“風の人”山下裕乃の「THE SHARE」
第27回 桜やボタンのように人間も自然の生き物 ~自分にとって居心地の良い場所を求めているのです~
【月刊HOTERES 2018年04月号】
2018年04月27日(金)