2017 年のインバウンドは2869 万人を記録し毎年増加の一途をたどっている。政府が2020 年に4000 万人を目標に掲げる中、ホテル業界にとってもインバウンド対策は重要課題のひとつと言えるだろう。今回の「HOTERES BRANDING WORKSHOP」では、インバウンドセールスをテーマにインバウンド・エクスペリエンスの最新事情や課題とソリューションを伝えるとともに業界のトップランナーを招いたパネルディスカッション、ゲスト同士の交流の場を設けたイベントとなった。
足下を見つめ
オペレーション力強化を
小社オータパブリケイションズが主催する「HOTERESBRANDING WORKSHOP」が1 月23 日、シャングリ・ラ ホテル 東京(東京都千代田区)にて開催された。このイベントは、唯一無二の選ばれるホテルになるためのブランディングを考察するワークショップ。今回はシスコシステムズ(合)およびテクノジム ジャパン㈱の協賛のもと「選ばれるホテルになる〜インバウンドセールス成功への鍵〜」をテーマに、基調講演、ワークショップ、パネルディスカッションの三部構成で行なった。
イベントの皮切りに、主催者を代表して小社代表取締役社長の太田進があいさつ。
「ホテル市場を取り巻く環境は、インバウンドが増加しているものの、民泊をはじめクルーズ、ホステル、カプセルホテルなどコンペティターも急伸しており、経営は決して安泰とは言えません。実際に2017 年のホテルの客室稼働状況は海外からのアライバルは増えているにもかかわらず、稼働率は落ちているというのが現状です。東京以外のデスティネーションに観光客が流れる“東京スルー”という現象も出てきています。また、『HOTERES』では、毎年ホテルオープン情報を調査していますが、昨年12 月時点で700 件以上のホテル出店計画を確認しています。これらを分析すると他産業からの参入組が大変増えていることが分かりました。しかしこうした参入組は、インバウンド増や2020 東京オリンピックを見込んだものの、3 ~ 5年後には経営が傾いて他者に運営を任せるケースやホテルを売却するケースも出てくるでしょう。そのときはホテル企業がさらにフラッグを増やすチャンスかもしれません。
このような環境の変化を見据えてホテル企業は、オペレーションの力を蓄えておくことが重要だと思っています。時代の流れやマーケット感覚をお伝えする今回のセミナーが、皆さまのお役に立てることを願っています」と述べた。